■情報番組プロデューサーが分析する「放送事故の原因」

 なぜ番組スタッフは、春日の池への落下、そして加藤の“暴走”を止めなかったのか――。このことについて、『スーパーJチャンネル』や『スーパーモーニング』などの情報番組の制作に携わってきた、元テレビ朝日プロデューサーの鎮目博道氏がこう解説する。

「テレビ業界では今、経費削減の余波もあり編集費用や演者の出演料が比較的安くすむ生放送番組が増えています。そのため、生中継に慣れたベテランスタッフを各局が今、取り合っている状態なんですよね。

 今回の『スッキリ』では春日さんが池に落ちるなら事前に、“どこで、どのような状況なら落ちてもよいのか? もしくはダメなのか?”というのを園側としっかりと、細かく打ち合わせる必要がありました」

 過密スケジュールで毎日の制作進行が求められる朝の情報番組。そんな番組作りが裏目に出たということか。

 現に、3月27日の番組内であったMC加藤の謝罪発言には”那須どうぶつ王国の方からは、動物に危害が加わらなければ、池に落ちても大丈夫ですよという旨のことを聞いていた”とあった。これに対して園側は後日、ホームページ上で“当園が動物のいる場所へ入っても大丈夫といった認識はございません”と発表しており、番組サイドと園側で認識の違いがあったのは明らかだ。

 前出の鎮目氏が続ける。

「朝の情報番組では、当日にロケ先での出演者の振る舞いを先方と打ち合わせている時間的余裕はありません。さらに、春日さんが池に落ちてしまった放送や加藤さんの番組内での謝罪発言を聞いていると、番組スタッフは本当に事前に園に出向いて打ち合わせをしていたのかな? と疑問を感じてしまいますね」

 相葉雅紀(40)がMCを務める同局の動物番組『嗚呼!! みんなの動物園』などへの影響も必至とされる今回の春日のペンギン池落ち騒動。番組は終了したが、まだまだスッキリはできない人は多いだろう――。