■嵐の特番、“最右翼”の局とは――
嵐とテレビ局を巡っては、日本テレビでは『嵐にしやがれ』(2010年4月~20年末)、TBSでは『ひみつの嵐ちゃん!』(08年4月~13年3月末)、フジテレビでは『VS嵐』(08年4月~20年末)と、大人気を誇った冠番組が放送されてきた。
テレビ朝日の『ミュージックステーション』出演回数は、歴代全アーティスト中3位(140回)である。つまり、どの主要民放キー局も嵐と縁が深いわけだが――前出の民放キー局関係者は言う。
「26年春までの放送される予定という嵐の特番――現在は、日本テレビが嵐特番争奪戦の“最右翼”のポジションにいるといいますね。このままいけば、日テレで5人の特番が制作されることになりそうだと。
日テレは、嵐が人気グループへと成長する前から、彼らに期待を寄せ、多くの番組に起用してきた。嵐としても、日テレには恩義を感じているのではないでしょうか」
嵐がデビューしたのは1999年。グループが本格的に売れたのは2005年に松本潤(42)が出演したTBSドラマ『花より男子』(10月期)の大ヒットがきっかけと言われ、それまではなかなか人気が出なかったことを、当人たちも認めている。
しかし、日本テレビはそんな嵐の人気が低かった時期から、グループの冠バラエティ番組を深夜帯で放送してきた。
まず、嵐にとって初の単独レギュラー番組である『真夜中の嵐』を2001年10月から02年6月末まで放送。同番組終了直後の02年7月には、別のスタッフによる深夜番組『Cの嵐!』がスタートし、これが『Dの嵐!』、『Gの嵐!』、『嵐の宿題くん』(~10年3月末)まで、“嵐の深夜シリーズ”として約9年間続いた。
そして、スタッフを刷新したうえで、10年4月に『嵐にしやがれ』が土曜夜10時枠でスタート(17年4月から土曜9時枠)。グループが活動休止する20年末まで、日テレの土曜夜を象徴する番組として人気を博した。
「冠番組に加えて日テレは、嵐の個々のメンバーをドラマやバラエティなどに積極的にキャスティングしてきました。とりわけ櫻井さんと相葉雅紀さん(43)の2人は、日テレなくして現在のキャリアは築けなかった感じさえありますよね」(前同)
櫻井は2006年10月に報道番組『NEWS ZERO』(現『news zero』)の月曜キャスターに就任。政治家や著名人を相手にインタビューを行なったり、21年3月には社会情報誌『Newsweek日本版』に東日本大震災に関する1万字の長編ドキュメントを寄稿するなど、現在まで続く“櫻井キャスター”のポジションを築き上げた。
そして相葉は、バラエティで活躍しているイメージが強いが、そのきっかけの1つとされるのが『天才!志村どうぶつ園』(04年4月~20年9月末)。相葉は同番組の“園長”である志村けんさん(享年70)から多くのことを学び、タレントとして成長できたことを明かしている。
「嵐の5人も、自分たちがまだ人気のない時からフォローしてくれて、ずっと盛り上げてきてくれた局からのオファーを優先したいところはありそうですよね。ラストライブの準備で多くのテレビ出演はないとされるなかで日テレでの特番が決まれば、『VS嵐』を長年放送してきたフジ、『ひみつの嵐ちゃん!』のTBS、『Mステ』のテレ朝、そして『紅白』を筆頭に付き合いの長いNHKも複雑な思いを抱くことになりそうですが……」(同)
日本テレビの福田博之社長は、5月26日の定例会見で嵐の活動終了について、こうコメントしていた。
「20年間、嵐の冠番組が続いています。たくさんの視聴者の方々に愛されてきました。嵐チャレンジウィークを行なったこともあった。『24時間テレビ』では、嵐として5回(04年・08年・12年・13年・19年)メインパーソナリティーを務めてもらった。日本テレビにとって、嵐さんは特別な存在であることは間違いありません」
26年3月13日からスタートするラストツアーと同時に、春までに放送があると見られる嵐の地上波特番にも注目が集まる――。