■「権利の主張ができない」人間関係の特徴は
法律上の婚姻関係にない男女の間に生まれた子のことを「非嫡出子」という。厚生労働省「人口動態調査」によれば、その割合は戦後の混乱期を除けば概ね0~1%台で推移してきたが、2004年に2.0%を超えると、23年には新しく生まれた72万7288人のうち2.5%である1万7860人が非嫡出子と、その割合はじわじわと増加傾向にある。
婚姻関係にある夫婦の間に生まれた「嫡出子」とは異なる「非嫡出子」。「非嫡出子」は、男性によって自らの子であるという「認知」の手続きがなされないと女性は養育費の支払いについて法的手段を持てず、また子は父親である男性の財産を相続できない。また、戸籍上「父親」の名は空欄となる。今回の佐藤寛子の場合は、金銭面・精神面でも追い詰められたが、アルバイトをして生活していたと語っていた。
「非嫡出子で認知がされていなくても、小さい子どもが日常生活を送るだけなら特に大きな不利益はないでしょう。問題は、成長して学校に通うようになってからですよね。養育費がないとどうしても女性側の負担が大きくなりますし、何かの折に子どもが戸籍を目にして父親の欄が空白だと、自分の存在が認めてもらえていないような気がしてショックを受けることは十分に考えられます。
そして、その子どもが将来的に誰かと結婚するとなったときも、“親が空欄”だと日本の社会ではあまり良く受け止められません」(池内氏、以下同)
なかなか認知してもらえない場合、弁護士に依頼するか、家庭裁判所での調停を申し立てるなどの選択肢があるが、一般論として、そうした選択肢を選ばない女性がいるのも確かだ。それについて池内氏は、「共依存関係の人たちは、権利の主張が上手くできない傾向がある」と指摘する。
「そもそも人間関係は多かれ少なかれ、共依存なんですね。だけど、ひどい共依存のカップルはトラブルを誘発しやすい。DV、モラハラのケースに多いのですが、たとえば妻に暴力を振るう夫がいたとして、第三者から見れば妻は夫からなぜ逃げないのか、逃げれば済むのに、と思いますよね。だけど、妻は“殴らない時は優しい”とか“私がいないとこの人はもっとダメになる”などといった理屈で共同生活を続ける。
この場合、妻を自分の思うように動かそうとする夫が妻に依存している一方で、ダメだとわかっているのに、その人から離れられない、あるいは正当な権利を主張できないという妻もまた、夫に依存しているんです」