■杉咲花ならやってくれるはず

 また、現在の恋人に成田凌(30)、文菜に告白したが失敗したバイト時代の先輩に岡山天音(31)、大学3年時の恋人に細田佳央太(24)と、共演陣も演技技巧者揃い。また、NHK朝ドラ『ばけばけ』で旅館の女中・ウメを演じて話題の野内まる(23)も出演し、彼らが寄り添って伝わりにくい内容もしっかり届けてくれるだろう。

 ただ、静かな作品だけあって、いきなり話題になって視聴率や配信の数字が伸びることはないかもしれない。まして、2025年4月期『恋は闇』、7月期『ちはやふる-めぐり-』、10月期『ESCAPE それは誘拐のはずだった』と物足りない数字が続いている“日テレ水曜枠”なので、なおさらだ。

 しかし、枠的な好条件もある。同時間帯の『ラムネモンキー』(フジテレビ系)は、51歳の男たちの“1988青春回収ヒューマンコメディー”と、懐かしネタで中高年狙い。ドラマ好きにアピールしそうな本作とは視聴層がかぶらない。また、人気番組である『水曜日のダウンタウン』(TBS系)と被らないのは言うまでもないだろう。

 このタイプのメッセージ性が高いドラマは、口コミでじわじわ支持が広がるパターンが多い。『冬のなんかさ、春のなんかね』もスロースタートかもしれないが、終わってみれば『silent』レベルのヒットになる可能性はあるだろう。まずは、杉咲花の演技に注目だ。(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。