■先の見えにくい『パンチドランク・ウーマン』

 まだ物語は始まったばかりだが、X上では《それぞれ何かを隠している感じがして…謎が多い。これからどうなっていくのか気になる》《過去映像がたびたび挟み込まれて緊張感を誘う演出。脱獄したところでどっちみち逃げ切れないだろうと思ってしまいがちだが、そこをどう興味を持続させるか》など、考察より今後を気にする声が多い。

 初回というのもあるが、物語の本筋が見えにくい回だった。パッと見で、刑務官と容疑者の許されない恋の逃避行に思えるが、怜治(ジェシー)はこずえ(篠原)の若い頃になにかあった男(竹財)の息子となると、恋愛要素はなさそうだ。Xにも《気持ち悪い》という声があったが、親子ほどの年の差のある恋は共感されにくい。こずえが過去の秘密を精算するため、怜治の脱獄を手助けするというのが本筋なのだろう。

 また、構成的にもわかりにくさがあった。回想シーンがあまりに断片的で、過去の秘密がボンヤリしたまま。もう少しヒントがあっても良かったのでは? また、今後の脱獄に協力させるのだろうが、収容者の描写が多かったのも、なにを見せたいのかわからない感に拍車をかけていた。怜治の脱獄までがメインなのか? 過去の謎解きがメインなのか? 描写のバランスが今後の巻き返しの鍵になりそうだ。

 これまでの出演ドラマでは、一本調子の演技が目立っていたジェシーだが、今回は無口な役ということで違和感はなかった。Xでも《明るい役よりもこういう闇抱えた感じの役似合ってる気がした》などと好評で、けっこうハマり役かもしれない。篠原の抑えた演技も、藤木のワケアリ感も問題なしで、キャストは十分。最初はつまづいたが、次回以降で挽回なるか?(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。