日々、若者文化やトレンド事象を研究するトレンド現象ウォッチャーの戸田蒼氏が、本サイトで現代の時流を徹底分析。史上類を見ないマンション化価格の高騰の中、注目を集める「ローコスト住宅」について解説する。

 住宅市場で静かな注目を集めているのが一戸建て「ローコスト住宅」です。都市部を中心に新築マンションの価格は右肩上がり、首都圏では平均価格が1億円に迫る水準に達しました。住宅購入そのものを諦めかけていた層にとって、新しい選択肢として存在感を強めているんです。

 実際に、不動産経済研究所の調査によると、東京23区の新築マンション価格は1億5000万円を超えた月もありました。一方で、ハウスメーカー『アイダ設計』は郊外を中心に建物本体価格999万円という新築一戸建てを販売。

 それによって、2025年は問い合わせ件数・成約数ともに2024年の1.5倍に伸びたといいます。

 ほかにも、デザイン性とコストの両立を掲げる『AQ HAUS(エーキューハウス)』も、2024年4月から1000万円以下の住宅の販売を実施。マンション一強だった住宅購入の選択肢が確実に広がりつつあります。

 ここまで低価格の住宅が成立しているのは、徹底したコスト削減が要因。

 最大の特徴は間取りや設備仕様をあらかじめ規格化している点で、自由設計を最小限に抑え、設計や打ち合わせにかかる人件費を削減しているところにあります。

 さらに、自社工場での加工や、資材の大量一括仕入れによる単価引き下げ、モデルハウスやテレビCMなどで大きな広告費をかけないことも価格に反映されています。

 販売から施工、アフターサービスまでをグループ内で完結させて、住宅を「工業製品」として効率よく、市場に届けるという発想が「1000万円以下」という価格を可能にしています。

 一方で、安さだけを重視するのは注意も必要です。