■テラス席新設という強力“補強”の中日
他方、昨季2位のDeNAはジャクソン(29)やオースティン(34)ら、投打の主力助っ人が軒並み退団。
「リードオフを担った桑原将志(32)も西武に去った。彼は今のチームの緩い雰囲気に不満が募っていた様子。実際、昨年オフには複数のベテラン選手から、若手のヌルさに苦言が呈されました」(前出のデスク)
相川亮二新監督には、厳しい船出となりそうな今季。
「未知数すぎて評価のしようがない。総入れ替えが吉と出れば万々歳だが、先発候補の顔ぶれからして、いかにも弱い。吉とは出ない気がするね」(伊原氏)
なお、数少ない朗報がデュプランティエの獲得だが、そこには、こんな見方も。
前出の藪氏が指摘する。「マネーゲームをする気が阪神になかったのは間違いないが、あっさり出した背景には、おそらくそれなりの理由がある。“万全なら2ケタ勝てる”と見込めるなら、阪神サイドも全力で慰留はしたはずだしね」
一方、その藪氏が「阪神にとって怖い存在」と挙げるのが、昨季4位の中日。
4球団が競合した一昨年の金丸夢斗(22)に続き、昨秋ドラフトでも、世代ナンバーワンの中西聖輝(22/青学大)を一本釣り。かねてから定評のある投手陣に、さらなる厚みが加わった。
「中日は昨季唯一、阪神に勝ち越した球団。しかもバンテリンドームにテラス席が新設される今季は、ホームランも確実に増える。
これでサノー(32)が、良いときの中田翔(36)ぐらい活躍すれば、野球そのものが劇的に変わる。そうなれば、巨人以上に侮れないのは間違いないよ」(前同)
昨季下位の広島&ヤクルトは、他4球団と比べても戦力的にはやや見劣りする。
4年目・新井貴浩監督の広島は、初年度の2位から順位が右肩下がりにもかかわらず、外国人補強は投手のターノック(27)のみ。
ヤクルトも、村上宗隆(25/ホワイトソックス)の穴を埋めるに足る好材料は見当たらないのが実情だ。
「現時点では、広島のほうが上がり目もある。ドラ1の平川蓮(21/仙台大)の加入は、いま一つ安定感に欠く末包昇大(29)らの刺激にもなるだろうしね。
ヤクルトは、なぜ投手を上位で獲らないのか。4位の増居翔太(25/トヨタ)は、私が見ている茨城トヨペットとの練習試合でもポコポコ打たれていた。社会人で4位まで残っているというのは、つまり、そういうことなんだよ」(伊原氏)
虎の背中に追いすがるのははたして、どの球団か。
【後編】「SB&日ハムの2強争いの鍵を握るのは有原」「西武と楽天はエースが流出で…」藪恵壹&伊原春樹が混戦パ・リーグを占う では、混戦が続くパ・リーグで今季も中心になると見られるソフトバンクの意外な弱点や新庄日本ハム、優勝へのキーマンなどを詳報する。
藪恵壹(やぶ・けいいち)
三重県南牟婁郡御浜町出身の元プロ野球選手(投手)・コーチ、解説者・評論家・YouTuber。NPBでは1994年から2004年に阪神タイガース、2010年に東北楽天ゴールデンイーグルスでプレーし、阪神時代の1994年にはセントラル・リーグの新人王を獲得、2003年にはチームのセ・リーグ優勝に貢献した。NPBにおける通算成績は279登板、84勝106敗、防御率3.58。またMLBではオークランド・アスレチックスとサンフランシスコ・ジャイアンツでプレーし、実働2年間で100試合に登板した。
伊原春樹(いはら・はるき)
広島県甲奴郡上下町(現・府中市)生まれ。元プロ野球選手(内野手)・コーチ・監督、解説者・評論家。