昨季は最後までソフトバンクと日本ハムによる熾烈な首位争いが繰り広げられたパ・リーグ。今季も苛烈な順位争いが続くのか。

 そんな中、注目は、やはり“5年目の正直”で初Vを目指す新庄剛志監督の日本ハムだ。目玉は、なんと言っても、2年連続最多勝・有原航平の7年ぶり古巣復帰である。西武で過去には監督を務め2002年にはリーグ制覇も果たした伊原春樹氏が語る。

「ソフトバンクから主戦投手を奪ったというのは、やはり大きい。

 有原が昨季作った貯金5がハムに移れば、単純計算でゲーム差4.5だった両者の順位は引っくり返る。直接対決で彼につく勝ち星には、額面以上の価値があるからね」

 ただ、当の有原は、昨季も6回6失点で“炎上”するなど、本拠地エスコンフィールドが実は鬼門。

 争奪戦で巨人有利と見られていたのも、「あそこは嫌い」との本人発言が背景にあったと、もっぱらだ。

「まぁ、本拠地だとそうもいかないだろうが、現西武監督の西口文也なども、現役時代は“マウンドが合わない”と東京ドームを忌避していた。本当に苦手なら、起用する側にも懸念材料としては残るよね」(前同)

 とはいえ、この4年間で続々と台頭してきた“新庄チルドレン”の成長により、戦力は投打に充実の一途だ。

 さらに、大学での全登板がリリーフだったドラ1の大川慈英(22/明大)も、即戦力との呼び声は高い。

「後ろの田中正義(31)、柳川大晟(22)に大川が割って入るようなら、さらに厚みは増す。2年目の古林睿煬(25)、孫易磊(20)ら台湾勢も、今季はさらに伸びてくるだろう」(同)

 一方、迎え撃つソフトバンクは、3年総額15億円の大型契約で日米の争奪戦を制して、台湾のエース・徐若熙(25)を獲得も、目立った補強はそれぐらい。

「武田翔太(32)ら実績あるベテランを昨オフ、相次いで戦力外にしています。そのあたりからも支配下枠を空け、12球団で唯一、4軍制を敷く選手層の厚さを生かそうという球団の意図が汲み取れます」(スポーツ紙記者)

 現役時代は阪神や楽天でプレーした藪恵壹氏は、こう指摘をする。

「どんなに良い素質を持った選手でも、結果を残せなければどんどん切っていく。柳田悠岐(37)のような核となる数人を残して、新陳代謝を促す傾向は近年より顕著になっているよね。

 有原が抜けたのは確かに痛いが、ソフトバンクに限っては、今や遅しと下で若手が待っている。何も心配はいらないよ」(藪氏)

 さらに今季は先の徐に加えて、一昨年に防御率1点台で9勝のスチュワートJr(26)も復帰予定。

 今季が4年契約の2年目となるモイネロ(30)が外国人枠から外れるというのもチームにとっては、このうえない“補強”だろう。

山川穂高(34)もかなり身体を絞って自主トレに臨んでいるようだし、去年よりは間違いなく成績も上げてくる。現有戦力で、そこそこ計算が立つのであれば、無理して補強に走る必要もないからね」(伊原氏)

 ただ、そんな王者にも気になる“綻び”はある。

 伊原氏は「強いから言及する人もあまりいないが」として、こう続ける。

「一昨年は、53と最少だった失策数が、昨季には一転、リーグワーストの77にまで激増しているんだよ。戦力は申し分ないだけに、それら基本的な部分を、どれだけ鍛え直してくるかにも注目したいところだね」