■「強い」かどうかの判断は難しいが… 勝負論より“マインド”

 では、玉木や岡田の挑戦とその結果をどう見るか。

「格闘全般、“強さ”については議論が難しい部分はあるんですよね。たとえばボクシングでもWBAやWBCなど複数の団体があって、どこのチャンピオンベルトを獲ったら一番強いとはなかなか言いにくい。さらにブラジリアン柔術の場合は、体重だけでなく帯分けと年齢分けがあるのでより複雑です。

 たとえば、同じ体重、帯だとして、40代のチャンピオンが20代のチャンピオンと戦ってみないと“強さ”はよくわからないというか……。おじさんの黒帯と若い紫帯とではどちらが勝つのか、とかね」(青木選手=以下同)

 青木選手は、「『ホノルルマラソン』のようなものだと思えば、わかりやすいかも」と言う。

「勝負論とか競技論じゃなくて、芸能人がホノルルマラソンを走って、サブ4(4時間未満)、サブ3(3時間未満)で完走した、みたいな話なんじゃないかな。とはいえ本当に素人からしたら、(フルマラソンの)42.195キロを完走するのもなかなか大変でしょ。それが3時間とか4時間未満で走れたらすごいじゃないですか。でも、オリンピックは目指さないよね。趣味の最高峰ということですよね」

 IBJJFの公式インスタグラムでは、玉木の凛々しい試合姿も公開された。

「忙しい芸能人が日々の稽古をちゃんとやって、周囲の環境を整えることも含めて、試合をするレベルまでコンディションを作り込んだのは素直に凄いと思います」

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 Xには、《40代で総合格闘技やってるだけでも凄いのに、ガチの国際大会に挑戦するマインドはマジで尊敬する》《この歳で柔術の世界大会に挑戦するだけで凄すぎるだろ…》と、玉木や岡田のチャレンジする姿勢そのものに心を打たれる意見が続出している。

 IBJJFの取材動画で岡田は「年を重ねても出来る競技」とブラジリアン柔術の魅力を語り、玉木は「いつか黒帯になりたい」と目標を口にしている。年齢を重ねても学び、稽古する、挑戦するという姿勢を広く発信できるのは、芸能人ならではだろう――。

青木真也
1983年5月9日生まれ、静岡県出身。小学生時代に柔道を始め、全日本ジュニア強化選手に選抜。早稲田大学在学中に総合格闘技に転身。修斗、PRIDE、DREAM等で活躍し、修斗世界ミドル級王者、日本人初のDREAMライト級王者。
2012年からアジア最大の格闘技団体ONE Championshipに参戦、2度の世界ライト級王者。2014年からはプロレスにも参戦。17年にNEW、18年からはDDTプロレスリングに参戦、DDT EXTREME級王座、アイアンマンヘビーメタル級王座を獲得。柔術等の道場で講師として後進育成にも力を注ぐ。