■付け人の涙に“もらい泣き”!?
――そんな展開の中、横綱・大の里関が千秋楽に休場。対戦相手の豊昇龍関が不戦勝で3敗を守ったため、本割で琴櫻関との一番で勝てば、優勝決定戦に進出という展開になりましたね。大切な一番で、得意の内無双が飛び出しました!
安:自然に内無双が出た感じですね。優勝決定戦はもちろん緊張したし、どんな相撲のときも緊張はしているんですが、自分の持っている力を精いっぱい出すだけ。あとは、体に任せるという気持ちでした。
14日目にも豊昇龍関に勝っているから、得意にしている? そんなことは、まったくないです。
――優勝を決めて、花道を下がっていくとき、付け人(魁佑馬=浅香山部屋)さんが泣いていましたね。大関の目も、なんとなく潤んでいたような……?
安:あれは、付け人が泣いていただけですよ(笑)。違う部屋の兄弟子、魁佑馬さんには自分が新十両のときから付いてもらっていて、いろいろなことを教わりながら、ここまで来ました。だから、お互いにグッとくるところはありましたね。
でも、優勝を決めた瞬間は、ホントに信じられなかったです。館内の大歓声も、よく聞えないくらいでした(笑)。
――千秋楽から3日後の大関昇進伝達式での口上を考えるのには、だいぶ苦戦したんだとか?
安:ハイ。最初は師匠から、「(口上は)自分で考えろ!」と言われたので、どうしたらいいか分からなかった。ただ、口上は自分の知っている言葉を使いたいと思っていたので、最終的には、師匠と相談して決めました。
――「大関の名に恥じぬよう、また、さらに上を目指して精進いたします」という口上は、シンプルでいいですね!
安:ここで満足しないで、「もう一つ上(横綱)を目指す」という自分の気持ちを表せたんじゃないかと思っています。
【後編】青い目のサムライ力士・安青錦が語る祖国「ウクライナでの相撲人気」と「今年の目標」では、安青錦が祖国・ウクライナで相撲が人気の理由や独自に考えた日本語習得術を明かしている。
安青錦 新大(あおにしき・あらた)
2004年3月23日生まれ。身長182センチ、体重140キロ。安治川部屋所属。
23年9月初土俵、24年11月新十両昇進。25年3月新入幕。殊勲賞1回、敢闘賞2回、技能賞3回。