日本競馬界のレジェンド・武豊が名勝負の舞台裏を明かすコラム。1月31日の京都競馬では5Rマイコンプリート、7Rシュネルアンジュ、11R舞鶴Sプロミストジーンに騎乗予定の、彼のここでしか読めない勝負師の哲学に迫ろう。

(以下の内容は2026年1月26日に寄稿されたものです)

 僕に6度目の“ダービージョッキー”の称号をプレゼントしてくれた2024年の年度代表馬、盟友ドウデュースに初産駒、元気な女の子が誕生しました。

 種牡馬となり、北海道・勇払郡にある社台スタリオンステーションで過ごすドウデュースと再会したのは、昨年の夏です。

 現役時代からおとなしくて、人懐っこい性格のドウデュースは、鼻先を撫でられながら、じっと僕を見つめていました。

 さすがに種付けのときはピリピリしていたという話も聞きましたが、無事に初仔が産まれたというニュースを目にして、気持ちもほっこりとしています。

 母ヴォーセルは、2020年にフランスGⅡマルレ賞(芝2400メートル)の勝ち馬。種牡馬として求められるものをすべて持っているドウデュースの仔ですから、どんな馬に成長するのか、楽しみしかありません。

 産駒のデビューは2年後、28年の夏。クラシックに出てくるのは翌29年で、そのとき僕は還暦の60歳です。

 60歳まで現役でいるというのは、若い頃は想像もできませんでしたが、「ぜひ、武豊に!」と言っていただけるように、いつでも、どんなレースでも全力騎乗。日々、研鑽を積んでいきたいと思っています。

 デビューから無傷の5連勝。一時期、体調を崩しましたが、前走のGⅢ東海Sで復活Ⅴ。改めて、その強さを証明してくれたヤマニンウルスとのコンビでGⅠフェブラリーSに挑戦することが決まった週末の1月17、18日の競馬は、11鞍に騎乗して、1着1回、2着2回、3着2回。

 バーンと弾けるところまではいきませんでしたが、18日京都10R・大津特別(4歳以上2勝クラス・ダート1800メートル)を勝った、秋山真一郎厩舎オルフェーヴル産駒のバッケンレコード(牡4歳)の走りは、なかなかのものでした。

 年を跨いで、馬自身がどんどん良くなり、ラストも脚を、しっかりと使えていました。このままの好調をキープできれば、クラスが上がっても十二分に勝ち負けになりそうです。