東京23区の中古マンション平均価格が1億円超――。老後資金の準備や教育資金が必要な現役世代からは「もう買えない」とため息が聞こえてきそうな価格である。

「不動産調査会社の東京カンテイが1月22日に発表したレポートによれば、2025年の東京23区の中古マンションの平均価格は70平方メートルあたり1億393万円。データが残る1997年以降で、初の1億円超えとなりました。24年の7720万円からは34.6%という大幅アップで、上昇率は過去最大を記録しています」(全国紙経済部記者)

 そうしたなか、国土交通省は25年12月23日、「残価設定型住宅ローン」を支援することを発表している。残価設定型ローンは「残価設定型クレジット(残クレ)」とも呼ばれ、車やスマートフォンの購入でよく行われている支払い方法だ。

「あらかじめ将来の下取り価格(残価)を設定。総額から残価を差し引いた価格をローンの利用者は分割して支払います。利息はかかりますが、残価の支払いが後回しになることで、月々の支払い額を抑えられるのがメリットです」(前同)

「残価設定型住宅ローン」も考え方は同じだ。借入れ金額から将来的な住宅の価値(残価)を差し引いた金額(元金)を返済する。また、下取り価格が予想よりも下回るリスクを回避するべく、国交省は住宅金融支援機構において残クレ住宅ローンに対応した保険を創設し、差額が生じても債務者に負担が生じない仕組みをつくる予定だ。

 つまりこの住宅ローンを利用すれば、ローンの利用者は“残価割れ”の心配はしなくて良いということになる。国は高騰する不動産を購入する資金調達の選択肢となりうることをアピールするが、メリットとデメリットについて、ファイナンシャルプランナーの伊藤亮太氏に話を聞いた。