1月23日に放送された、関西ローカルの人気バラエティ番組『探偵!ナイトスクープ』(ABCテレビ)が視聴者の間で物議を醸すことに。放送内容を巡ってSNSが大荒れとなり、25日には番組公式サイトで声明が発表され、見逃し配信・TVerでの配信が停止されたりと各方面で対応に追われている。

『探偵!ナイトスクープ』は、視聴者から寄せられた依頼を、探偵局員(タレント)が依頼者とともに調査・解決し、その過程をお届けする、1988年3月から放送されている関西の大人気バラエティ番組。

 今回、騒動の発端となったのは、1月23日放送回で霜降り明星・せいや(33)探偵が受けた「6人兄妹の長男を代わって」という依頼。

 同依頼では、せいやが弟妹5人の世話や家事を日々手伝っている小学6年生男児の代わりに一家の“長男”になって、6人の子どもたちと1日を過ごす様子を放送。終盤にはせいやが長男を抱き上げ「お前はまだ小学生や。大人になんなよ」と言葉をかけるなどのシーンもあった。

 しかし、小学6年生男児が毎日、親が仕事の時は食事の準備や洗濯物の片付け、おむつ替えなどやることが山積みとなっているという放送内容から、SNSでは一家の両親に向けて《ヤングケアラー状態》《育児放棄》などと批判の声が殺到することに。

 特に、VTR最後の7秒間――せいや家のドアを閉めて、「(長男はこの先)大変やでまた」とつぶやいた直後に、母親の「米炊いて、7合!」という大きな声がドアの外まで響き渡る――というラストには、

《探偵ナイトスクープ見たが最後の長男に強い口調で「米炊いてー!」と言ったり完全にヤングケアラー。てか自分で炊けるだろ》
《最後の「米炊いて」発言をわざわざ使った部分にしても割と静かな問題提起を感じた》
《せいやの「まだ大人なんなよ」vs母の「蔵之介米炊いて7合ー!!」のコントラストがヤバすぎて心痛い》

 といった、憤りの声、さらには、番組側の問題提起ではという声も寄せられることに。放送後、番組に出演した一家の母親のインスタグラムにも批判の声が殺到し、誹謗中傷とも取れるコメントも寄せられている模様だ。

 そうした事態を受けて、『探偵!ナイトスクープ』の公式サイトでは、

《当該放送をめぐり、取材対象者やご家族に対して、SNS等で強い批判や誹謗中傷が広がっている状況を重く受け止めています。取材対象者やご家族への誹謗中傷、詮索や接触は厳にお止めいただくようお願い申し上げます》

《ヤングケアラーは重要な社会的課題として強く認識しております。一方、家族の事情や日常のあり方は多様であると考えています。番組では、取材にご協力いただいたご家族の家事・育児に関わる様子を紹介しました。このご家族では父親が家事・育児を担当されており、長男がそれを手伝っておられます》

 そして、

《番組制作にあたっては取材趣旨の説明と同意確認を行い、関係者の尊厳・プライバシーに配慮して編集・放送しましたが、結果として取材対象者個人に対する強い批判や誹謗中傷が広がっている状況を重く受け止めています。今後も取材対象者をはじめ、番組に関わる皆様の安全と尊厳を守ることを第一に番組作りを続けてまいります》

 と、声明を掲載した。

■「番組はせいやさんのタレント力に助けられたところが大きい」

 大きな話題となっている『ナイトスクープ』の“ヤングケアラー炎上”について、元テレビ朝日プロデューサーの鎮目博道氏は、「まず前提として、テレビを作る上で子どもの権利には気を遣う必要があるんです」とし、こう話す。

「まず、前提として誹謗中傷を行なうことは絶対にいけないことです。ただ、ヤングケアラーは社会問題として多くの人が注目していること。ですので、番組を放送したABCさんも、もう少し気をつけてもよかったのかなとは思います。

 ただ、せいやさんの対応は良かった。結果的に番組が依頼を受けたことで長男(小学6年生男児)も救われたところがあるはずですし、番組としても、せいやさんのタレント力に助けられたところは大きいでしょう」(鎮目氏、以下同)

 せいやは、前述の「お前はまだ小学生や」と語りかける場面など、長男に真摯に寄り添っていたことから、視聴者からも《せいやの暖かさかほんとに大好きだよ、長男君少しでも救われてるといいな、》《こどもの前で両親に説教したり苦言を呈するのではなく両親の前で長男を抱っこすることを選んだせいやが本当に良かった》といった、対応の誠実さを評価する声は多い。

「それぞれのご家庭にそれぞれの事情がある。それは仕方がないことで、そのお困りごとを探偵が解決しに行くというのが『ナイトスクープ』の本質ではあるので、その意味では放送内容は許容範囲かと思われます。コンプラ的に言っても、あのレベルだと児童相談所に通報するレベルではないとは思います。

 それに、かつてテレビ朝日で放送していた『痛快!ビッグダディ』シリーズなんかもそうですが、“大家族もの”は昔からテレビでやっていたし、その意味で言えば、今回もその延長線上にある話だとは思います」