■阪神で起きた怪文書バラまき事件

 一方、それなりに成績は残したものの、首脳陣への不信感から不満を爆発させたのが、98年からの2年間で10勝を挙げたメイ。

 野村克也監督への不満を、英文で書き連ねたビラが報道陣に出回った“怪文書騒動”は、今も語り草だ。

「巨人に移って続けて2ケタ勝ったように、もっと投げたい彼としては起用法に、とにかく不満があったんだと思う。彼自身は普通にいいヤツ。私もロッカールームでよく話したし、少なくとも選手たちとはうまくやっていたからね」(藪氏)

 そのノムさんの逆鱗に触れた助っ人と言えば、07年楽天のバスも印象深い。

「投げっぷりは一切記憶にないけど、激怒したノムさんの“タクシーを呼べ。あいつを帰りのバスには乗せない”発言だけは妙に印象に残っている。その手の外国人は過去にも大勢いましたよね」(スポーツ紙記者)

 他方、プレー以外の暴れっぷりで強烈なインパクトを残したのが、本国ではマイナー時代から気性の荒さで有名だった90年の中日・ディステファーノ。

 いくら外国人が血気盛んと言えども、オープン戦から乱闘を繰り広げて退場にまでなったのは、長い球史においても彼だけだ。

「このとき、何発も殴打された西武の捕手・大宮龍男は前年まで中日の選手。いきなりの激昂には、さぞかし味方ベンチもア然、呆然としたでしょう」(前同)

 助っ人勢がめっきり大人しくなった今日この頃。記録と記憶に残る外国人選手が現れることに期待したい。

藪恵壹(やぶ・けいいち)
三重県南牟婁郡御浜町出身の元プロ野球選手(投手)・コーチ、解説者・評論家・YouTuber。NPBでは1994年から2004年に阪神タイガース、2010年に東北楽天ゴールデンイーグルスでプレーし、阪神時代の1994年にはセントラル・リーグの新人王を獲得、2003年にはチームのセ・リーグ優勝に貢献した。NPBにおける通算成績は279登板、84勝106敗、防御率3.58。またMLBではオークランド・アスレチックスとサンフランシスコ・ジャイアンツでプレーし、実働2年間で100試合に登板した。