■使用期限切れの食材を外食チェーン店が利用するもう一つの”リスク”

 また、昨今のSNS全盛時代に外食チェーン店が使用期限切れの食材を利用することには大きなリスクが伴うと先の回転寿司業界関係者は言う。

「チェーン店ではバイトの従業員も含めて様々な人が働いています。店舗で使用期限切れの食材を利用すれば従業員がSNSに書き込み、ネット上で炎上するリスクもある。店舗運営の危機管理という観点からもはま寿司が行なった使用期限切れの食材の消費者への提供はリスクでしかないのです」

 業界関係者も首をかしげる今回のはま寿司の驚きの“消費者への裏切り行為”――。はま寿司を運営するゼンショーホールディングスに食材管理の方法や一連の報道への受け止めを尋ねると、広報担当者より回答がこうあった。

「まず、お客様および関係者の皆様へ、多大なるご心配とご迷惑をおかけしておりますこと、深くお詫び申し上げます」

 としたうえでこう続ける。

「当社では、安全でおいしい商品をお客様にお召し上がりいただくために、食品衛生法の基本的な考え方に準拠して、科学的に自社の食品管理基準を設定しています。そこで、消費期限を超えない範囲で”自社期限”という管理目標を定め、店舗運営を行っています。店舗では1日に4回、保管食材の”自社期限”を確認し、期限が過ぎた食材および期限ラベルが未貼付の食材は廃棄し、それを記録に残しています」