■NAZEは人気グループになれるか
正直、ドラマとしては公式サイトでうたわれている「K-POP版“スポ根”ドラマ」で、これ以上でも以下でもない。メンバーの頑張りがフォーカスされるので、細かな人間関係の機微が描かれることは皆無。池田エライザ演じる水星のキャラ造形は、池田主演のドラマ『古見さんは、コミュ症です。』の古見硝子+『舟を編む』(NHK)の岸辺みどりで新鮮味もない。中村の演技ばかり注目されるのも納得だ。
ただ、本作の数字が低いのは制作側には想定内のはず。アイドルグループの成長物語は、同局系の22年放送『君の花になる』があるが、同ドラマも評価は低かったものの、実際に期間限定グループとしてデビューしたグループ・8LOOM(ブルーム)は、ライブをやれば満員、グッズは飛ぶように売れ、しっかりと人気を獲得した。
本作も狙いは期間限定アイドルグループのメディアミックス展開だと思われ、すでにYouTubeとTVerで23本も関連動画を更新しており、2月6日からはお披露目ツアーも決定。合わせて、ライバルのTORINNERも楽曲の動画配信やイベント出演などを展開させ、『君の花になる』方式を2グループ態勢でさらに発展させたということだ。
つまり、地上波ドラマの『DREAM STAGE』はNAZEのプロモーション作品で、いろいろと仕掛けている活動のうちのひとつと考えられる。ドラマの出来の悪さや数字の低さは二の次でいいのだ。視聴率や配信の数字より、NAZEとTORINNERがどれだけ人気を獲得できるか、収益を上げられるかが重要なのだろう。
ただ、TBS公式YouTubeで更新された、NAZEの楽曲『BABYBOO』のMVの“いいね”数は1000ちょっと。今でも見続けられている、8LOOMの楽曲『君の花になる』の5.7万を目指すには不安な数字だ。さらに、TVerのお気に入り登録数も今のところ深夜ドラマレベルで、注目度に欠ける。
X上では、《ドラマなのにドキュメンタリーを観てる感じで、皆んなの緊張も伝わってきて、一緒にドキドキでしたわ。成長を感じたり、応援するってこんな感じかぁって、少しわかった気がした。コレからも楽しみ!》などと、期待する声もあるので、今回の新しい試みがどういう結果になるか、注目したい。(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。