■『豊臣兄弟!』は少年ジャンプ?
X上では、《“戦では汚い手を使っても勝てばいい”し、“同士討ち”もアリアリの世界観ながら、主人公兄弟がそこに手を染めなくてよかった…。さすが“少年マンガ展開”を謳うだけあるわ》《人前ではかっこつけてるけど、ひとりになると「勝ったー」と脱力する。やっと信長を“一人の人間”として描く作品が現れた気がする》など、少年漫画的な秀吉(池松)秀長(仲野)コンビや、信長(小栗)の素の顔の描写への称賛の声が。
コンビ(兄弟)が互いをカバーし合いながら成長していくというのは、いかにも少年ジャンプ的展開。同誌のコンセプト「友情、努力、勝利」の3つは、今作では「兄弟の絆、知恵を使ってのサバイブ、戦の勝利」としっかり抑えていて、否が応でも盛り上がる。少年誌ではなく大人のドラマなので、最後は両手をあげて喜べないオチにしているが、全編に流れる明快な熱さが好調の秘訣だろう。
また、手垢のついた信長キャラの意外な一面が描かれたのも新鮮だった。秀吉に対する秀長のように、そばに妹・市(宮崎あおい/40)がいるからこそ描けた、今回の信長だった。これまで描かれてこなかった秀吉、信長像が本作の強力な魅力になっているが、“きょうだい”という設定があったからこそ、おなじみのキャラが輝いたのだろう。
描く人物たちこそ、大河ドラマで見慣れた人々だが、視点を変えたことで、まったく新しい戦国の物語が生まれそうだ。今回、逃走前に自分が持ち込んだ兵糧の飯をモリモリ食べていた、クセの強そうな家康(松下洸平/38)がここに絡んでくる。小一郎たちのどんな策略が見られるか、少年ジャンプのようなワクワクする展開に期待したい。(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。