■米倉涼子、菜々緒、田中みな実、松本まりか、吉岡里帆も――悪女でブレイクした女優は多数
ネガティブなイメージもある“悪女”だが、男を手玉に取ったり、不思議なカリスマ性があったりと、ヒール(悪役)として魅力的なキャラクターも多く、人気の出やすい役柄でもある。実際、悪女役を機にブレイクした女優も多い。
たとえば、米倉涼子(50)は松本清張の小説が原作のSPドラマ『黒革の手帳』(テレビ朝日系/2004年)で、巨額のカネを横領し、銀座のクラブのママへとのし上がる悪女を演じ、これが女優業の転機になった。
また、自身を「プロ悪女」と評したこともある菜々緒(37)は、ファッション雑誌業界の裏側を描くドラマ『ファースト・クラス』(日本テレビ系/14年4月期)で、とんでもなく性格の悪い女性編集者を演じたことが話題となり、その後売れっ子俳優となり、現在の地位を築いた。
田中みな実(39)は、浜崎あゆみ(47)の半生がモチーフのドラマ『M 愛すべき人がいて』(20年4月期/テレビ朝日系)で“主人公に肩入れする男に異常な執着心を燃やす悪女”、松本まりか(41)は『ホリデイラブ 〜夫婦間恋愛〜』(テレビ朝日系/18年1月期)で、“主人公夫婦の夫の浮気相手”を好演したことでブレイク。振り切った悪女役を経て、人気を獲得する女優は多い。
爽やかなイメージが強い吉岡里帆(33)も、『カルテット』(TBS系/17年7月期)で、人の心を弄ぶのが趣味の女を熱演。最後まで改心せず、最終回で「人生、チョロかった!」と勝ち逃げするヒール役を演じた。吉岡にとって初の悪役で、後に「自分の芸能人生で凄い大事なターニングポイント」だとテレビ番組で振り返っている。
前出の三杉氏は言う。
「永野さんはすでにNetflixドラマ『御手洗家、炎上する』(23年)という“復讐モノ”での演技が評価されていましたから、本格的に悪女をやらせたら面白そうですよね」
『御手洗家、炎上する』は、13年前に全焼事件の濡れ衣を着せられた母親を持つ主人公が、火事に隠された真相を突き止めるため、家政婦として「御手洗家」へと潜入して――という復讐劇。
「永野さんは不倫疑惑騒動によって、好感度の高いクリーンなイメージを失いましたが、これはチャンスだとも考えられるんです。それというのも、以前の永野さんはCMの仕事が多かったですが、それが、ドラマや映画のオファーを受ける際に“しがらみ”となる時もあったでしょう。ですが、今はそれを気にせずに、いろいろな役を引き受けやすくなったと。
年齢的にも、近い世代の広瀬すずさん(27)が少しずつセクシー路線も開拓しつつあるだけに、永野さんもこれまでと比べて少し過激な役に挑んでみるとか……。演技力はある人ですから、今後の作品で世間をあっと言わせてほしいですよね」
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新たな方向性を模索しているであろう永野。まずは、主演するNetflix映画『僕の狂ったフェミ彼女』では、どんな演技を見せてくれるだろうか――。
三杉武(みすぎ・たけし) 芸能評論家
早稲田大学を卒業後、スポーツ紙の記者を経てフリーに転身。豊富な人脈をいかし、芸能評論家として活動している。多くのニュースメディアで芸能を中心にしたニュース解説を行ない、また「AKB48選抜総選挙」では“論客”とて約7年間にわたり総選挙を解説してきた。