■疲労と老化も防ぐ“肉とタマネギ”の黄金コンビ

 さらに望月氏は、このところ話題になることが多い老化物質のAGEについても言及する。

「AGEというのは体内に入った過剰な炭水化物によって作られます。だから白米ばかり食べているとAGEができやすい。これを牛丼にした場合、タレに糖質も入っているものの、脂質やたんぱく質も摂れるために体内でAGEが作られるのが白米のみに比べたら遅くなるんです」(前同)

 牛丼の主な具材は牛肉とタマネギ。牛肉は基本的にたんぱく質だが、ビタミンB群も入っているので、疲労回復を助けたり、代謝を円滑にしたりする効果も期待できる。

「タマネギに含まれる硫化アリル(アリシン)はビタミンB1の吸収を高めてくれるため、牛肉と一緒に摂ることで疲労回復効果がさらに向上するんです。もちろんタマネギなので血行促進や血液サラサラ効果もあります」(前同)

 まさに絶妙な栄養バランス。牛丼は“メタボの元凶”どころか、“隠れた優等生”だったということのようだ。

 ここで望月氏は、より一層、牛丼を健康的に食べる“裏技”も教えてくれた。

「牛丼に難があるとしたら、十分に野菜が摂れないという点。野菜は1日350g摂取が推奨されているので、それをタマネギだけで補うのは無理があるんです。

 だからサラダとか味噌汁とかを牛丼と一緒に注文するほうが健康的といえるでしょうね。最近は“ねぎだく牛丼”“キムチ牛丼”など野菜トッピング系メニューも増えていますし」

 なお、紅生姜は代謝を高める効果があり、七味唐辛子も血行促進に働きかけてくれる。卵もたんぱく質を摂るという点からオススメだという。

 そんな吉野家HDには健康志向の消費者から多くの声が寄せられているそうだ。

「弊社公式通販ショップで販売しているトクホの牛丼『特牛サラシアプレミアム』を含め、牛丼って実は高齢者、スポーツ関係者にも愛用者が多いんですよ。食欲を増し、栄養摂取に役立つ食品として重宝されているのはうれしい限りです」(吉野家HD広報部)

 “はやい、うまい、やすい”と3拍子揃っているうえに、“体にもいい”となれば、ますます牛丼が大好きになること間違いなし!?

望月理恵子(もちづき・りえこ)
管理栄養士、健康検定協会理事長。「根拠のある情報から、栄養・健康をサポートする」ことを目的に、健康効果のある食事の提案、レシピ開発を行う株式会社Luceを運営。プライベートジムRIZAP立ち上げ時の栄養監修や服部栄養専門学校特別講師、山野美容芸術短期大学講師、小田原銀座クリニック栄養顧問など幅広い活動を行っている。