日々、若者文化やトレンド事象を研究するトレンド現象ウォッチャーの戸田蒼氏が本サイトで現代のトレンドを徹底解説。今回は、効率性の最大化を求める若者たちのパフォーマンス追求の現状に注目した。
現在は当たり前に浸透した「タイパ(タイムパフォーマンス)」ですが、若者たちの関心はさらに一歩先へと進んでいます。時間を削るだけの効率化はもはや前提条件。
今は、限られた空間や心の余裕、そして脳のエネルギーをいかに賢く使うかという「自分にとっての心地よさ」が、移り変わりの激しい日々を過ごすための新しいスタンダードになりつつあります。
とりわけ3つの「〇〇パ」が、次なる注目指標と言えるのではないでしょうか。
まず、物理的なスペースをいかに有効活用するかを指すのが、「スペパ(スペースパフォーマンス)」です。都市部での生活コストが上がる中、広い部屋に住むことよりも、限られた空間でいかにQOL(生活の質)を高めるかに重きが置かれています。
実際、株式会社RECCOOが行った調査では、大学生の約50.5%が「スペパは今後さらに流行する」と回答。35%がすでに意識的な空間作りを実践していると答えています。
多機能な家具を取り入れたり、物理的なモノを持たずにデータやサブスクで済ませたりすることで、部屋の「1平方メートルあたりの幸福度」を最大化させるのが、現代流のスマートな暮らし方なのです。
次に多くの人々が取り組んでいるのが、「メンパ(メンタルパフォーマンス)」の向上でしょう。
日経BP社が発表した『10大徹底予測2026』などのトレンド分析では、メンパは「買い物や情報収集でメンタルを浪費しない」という新しい消費哲学として定義されています。
タイパを追求しすぎて情報の波に溺れた反省から、たとえ手間がかかっても「心が疲れないこと」を最優先する動きが加速しました。
メンタルヘルスを損なう要因を徹底的に排除し、自分を「いい状態」に保つための効率化こそが、今の正解なのかもしれません。SNSの通知を絞って不快な情報を遮断したり、AIに意思決定をサポートさせたりする行動は、すべてこのメンパを高めるためとも言えます。