■『再会』原作改変が大成功

 今回も展開は遅めだった。タイムカプセルから消えた拳銃をめぐって、同級生4人の立ち位置がはっきり見えてきて、「さぁ、これからどうなる」といったところ。ミステリーというより、過去と現在を行き来する心理劇のようになってきて、竹内(飛奈)、井上(岩本)、瀬戸(清原)、渡辺(佐久間)、それぞれの演技が際立っていた。

 とはいえ、4人の演技を楽しむだけでは、ちょっと刺激が足りない。そこに江口(南良)がうまくハマった。シリアス、不気味、コミカルと変幻自在の演技で刺激を与えつつ、明晰な推理でドラマを前に進めていった。原作からは男性から女性へ変更され、キャラも変わっているようだが、この改変は大成功している。

 また、事件を追う視聴者目線にもなっていて、ある意味で南良刑事は裏主人公と言える。タップダンス、考え事をしながらバナナを食べるなど、得体の知れない存在感もたっぷりで、この役を江口が演じていなければ、メイン4人の熱演も活きなかったはず。江口=南良というキャスティングの勝利だ。

 配信サービス・TVerのお気に入り登録数は97.1万(1月29日午後1時現在)で、日曜劇場『リブート』(TBS系)の105.4万に抜かれてしまったが、堂々の今期民放連ドラ2位。次回予告で南良の「アリバイ、崩れました」というセリフが流れているが、江口が引っぱる物語のこれからに注目だ。(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。