■コーヒーにはない欠点が…

 セブンカフェが誕生した13年の翌年には『セブンカフェ ティー』の構想はあったという。しかし、そこから商品化までの道のりは長かった。

「セブンカフェが支持された理由は“あの価格で、あの味”だからです。家で淹れる紅茶では味わえない品質を再現するには、マシン開発に時間がかかりました」(前出の石橋氏=以下同)

 企画立案から実現まで、その歳月は実に10年以上。試行錯誤を重ね、ようやく23年1月に都内4店舗で実証実験を開始した。今後は販売店舗を拡大し26年2月末までに2000店舗、27年2月には1万店舗での販売を視野に入れている。セブンイレブンのHP上では現在、国内の店舗数は21857店とのことだから、2月末までには国内の10%ほどの店舗で紅茶マシンが導入されるというわけだ。

 一方で、この紅茶マシンには明確な“欠点”もある。

 本サイト編集部員が実際に店舗で商品を購入したところ、抽出時間はコーヒーがおよそ30秒だったのに対し紅茶は約70秒と倍以上の時間がかかったのだ。

「茶葉の温度や蒸らし方など、“ゴールデンルール”と呼ばれる正しい淹れ方をマシン内で再現しています。一番時間がかかるのは蒸らし。ここを短縮すると、苦味や渋味が出てしまう。ただ、提供時間の課題は解決すべき点でもあるため、クオリティを保ちながら時間短縮に向けた工夫も重ねています」

 あえて手間を省かない。その姿勢こそが、紅茶派の支持を集めている理由でもある。

 購買層を見ても、コーヒーとははっきり異なるという。

「コーヒーの購買層は40~60代の男性がメイン。一方、紅茶は女性の利用が多く、特に『ミルクティー』(ホットRサイズ・税込み190円 Lサイズ・税込み250円 アイスRサイズ・税込み240円 Lサイズ税込み300円)は7割以上が女性。購買年齢層も10代から60代までと幅広いです」

 利用シーンも対照的だ。

「コーヒーは朝起きた後や仕事前のスイッチを入れる一杯として飲まれています。対して紅茶はリラックス時間の一杯として飲まれることが多い。購入される時間帯も、朝に集中するコーヒーに対し、紅茶は午後が中心です。スイーツやおにぎり、揚げ物等食事のお供としての併買も目立ちます」

 今後の展望を石橋氏が語る。

「紅茶をきっかけに、セブンの中で飲み物の選択肢が自然に広がっていけばいい。セブンだからこそできる出来立てを楽しむ。気軽なフードペアリングを通じて、楽しい食提案をしていきたいと思っています」

 開発まで苦節10年以上の『セブンカフェ ティー』は新たなトレンドを小売業界に生み出せるか。