■使用できる環境は40度くらいまで、寒すぎても発火の可能性

 小澤氏によると、リチウムイオン電池の使用が推奨される環境は、あくまで人間が快適に過ごせる生活温度、40度程度までだという。逆に、温度が低すぎる環境での使用も電池にとっては負担となる。

「冬場の注意点として、氷点下のような極端に寒い環境での使用も推奨されません。氷点下では電池内部のインピーダンス(電気抵抗)が非常に高くなるため、正常に充電ができなかったり、内部で予期せぬ反応が起きたりします。寒い場所、特に氷点下に近い環境で無理に充電を行うことは、発熱や故障のリスクを高める要因となり得るでしょう」

 最後に、冬場のモバイル機器の取り扱いについて、一般的な安全対策としての注意点を挙げてくれた。

「特定の事故に限った話ではなく、一般論として、ヒーターやストーブなどの熱源近くに電気機器を置かないことが重要です。短時間で直ちに発火するとは限りませんが、長時間熱源のそばに放置したり、こたつの上でパソコンを使用し続けたりすることは、機器の内部の電池の温度上昇を招くため避けた方が無難でしょう。

 デスクトップPCであっても、樹脂が溶けるような温度になれば短絡のリスクは避けられません。リチウムイオン電池を搭載した製品は、常に適切な温度環境で扱うよう心がけてください」(前同)

 暖をとりながらパソコンを使用する際は、「すぐ戻るから」とその場を離れるのではなく、暖房器具の電源を切るなり、パソコンを暖房機器から遠ざけるのが良いだろう。

小澤浩典(おざわ・ひろのり)
リチウムイオン電池の研究・開発に携わる技術者。株式会社小澤エネルギー研究所にて、電池セルの試作評価や特性解析を専門とする。