2月のミラノ・コルティナ冬季五輪に始まり、3月のWBC、そして6月のアメリカ・カナダ・メキシコ3か国共同開催サッカーW杯と、今年はスポーツのビッグイベントが数多く行われる“当たり年”だ。
そこで今回は、見る者の心を捉えて離さない感動シーンや、伝説となった勝利、そして会場に熱狂の渦を巻き起こした逆転劇など、スポーツにまつわる過去の名場面を本サイトが徹底取材。
当事者、関係者が、これまで明かしてこなかった“最高の瞬間”の裏に隠された秘密が、ついに判明する。
来る3月6日、井端弘和監督率いる侍JAPANは、台湾を相手に第6回WBCの初戦を迎える。ファンの期待は当然、2023年の前回大会に続く“世界一”。
第1回と第2回WBCで連覇を経験した元ロッテの“ミスターサブマリン”こと渡辺俊介氏は、その独特な重圧をこう語る。
「第1回大会では、“ベスト8まで行けたら十分”ぐらいの下馬評だったので、僕らも少し気楽でした。
でも、連覇のかかった第2回は“日本らしい野球をやれば優勝はできる”と思うからこそ、逆にプレッシャーを感じていた。チームの雰囲気も明らかに固くなっていたし、前回と違う監督で挑むところも、今回は第2回のときと似た状況になる気がします」
前回の23年大会では、初出場の大谷翔平(31)がチームを牽引し、見事、世界一に輝いた侍JAPAN。だが、下馬評はけっして高かったわけではない。
「米大手ブックメーカーが出した大会直前の優勝オッズは、1位がドミニカで3.5倍、2位はアメリカで3.75倍。日本は3位で4倍でした。決勝のアメリカ戦で、大谷は強打者・トラウトを三振に斬って取り、そうした評価を覆してみせたわけです」(スポーツ紙メジャー担当記者)
ただし、今大会の大谷はドジャース側の要望もあり、“打者専念”“限定的な投球のみ”とも噂されている。
野球通で知られる漫画家のやくみつる氏は、こう熱弁する。
「あえて私は“シーズンを潰してでもWBCに傾注せい!”と、言いたい。やっぱり大谷にはピッチャーとして、物語の真ん中にいてもらいたい。彼はまだキャリアのピークだとは思えず、あのトラウト斬りは、大谷翔平物語の序章と考えるのが自然。それくらい、スケールの大きな男ですよ」
スポーツ文化評論家の玉木正之氏は、大谷の“世界一奪取シーン”を別の思いで見ていたという。
「そもそもWBCはアメリカ中心に行われ、大半の収益はメジャーリーグと選手会に取られています。
実は最初に世界大会の実現に動いたのは、野球の国際化に尽力した日本の山本英一郎でした。しかし、9・11が起こり、計画がとん挫した経緯があります」
そうした背景もあり、日本は第1回大会の参加に消極的だったともいわれる。
「それでいざ、予選を突破してアメリカに行ったら、審判のひどい判定に苦しめられた。この歴史を踏まえると、トラウトから三振を取ったシーンは、このうえなく痛快でしたね」(前同)