■いつもはクールなイチローが…
痛快さでいえば、09年の第2回大会決勝・韓国戦でイチロー(52)が放った“劇的打”も引けを取らない。
同大会の準決勝まで、イチローは勝利の重圧からか、極度の不振に陥っていた。
「決勝の相手は、前回大会でイチローが発した“向こう30年は手が出せない”発言で、因縁が生まれた宿敵・韓国。両者譲らず、3対3で迎えた延長10回の2死二、三塁。打席に立ったイチローはセンターへの勝ち越し打を放ち、日本を優勝へと導きました」(スポーツジャーナリスト)
前出のやく氏は、あの一戦を、こう振り返る。
「国同士で対抗心を燃やすのは、国際試合の醍醐味です。ふだん、感情を露わにしないイチローも燃えているのが伝わってきました。
不調にあえぎながらも、最後に全部持って行くところはさすが。素晴らしき予定調和で、フラストレーションが解放されるカタルシスも含めて、最高でした」
前出の渡辺氏は、決戦に挑む井端JAPANに、こうエールを送る。
「よほどの実力差がないかぎり、短期決戦では“絶対優勝できる”とは言いきれません。でも、今のチームにも、それだけの力はもちろんある。大会に臨む準備の周到さでは、今回も間違いなく日本が一番だと思います」
激戦の火ぶたが切って落とされるのは目前だ。
渡辺俊介(わたなべ・しゅんすけ)…1976年、栃木県出身。国学院大学、新日本製鉄君津をへて01年、ロッテに入団。世界一低いといわれたサブマリン投法で活躍。WBCは第1、2回大会に出場し、連覇に貢献した。