■地上波ドラマと配信ドラマの「絶望的な予算格差」

 ドラマは最初の1、2話に派手な演出や作り込まれたCGで視聴者の目を惹きつけることが多いが、櫻井が主演を務めた『大病院占拠』も、序盤の1、2話にドローンの襲撃や派手な爆破シーンなどが盛り込まれていた。

 ところが、同ドラマでは、“ビルから落ちかけているのに下に青空が見える”“爆破前と後で車の車種が変わっている”“合成用のグリーンバック背景の処理が甘く、微妙に髪の毛に緑色が残っている”などなど、主にCG面について猛ツッコミが殺到したのは、記憶に新しい。

 ちなみに、似た事例では水谷豊(70)主演の『相棒』を筆頭に、“テレビ朝日のドラマは高確率で飛行機のCGがショボい”という声がSNSでよく指摘されている。

「皮肉なことにCGのチープさが話題になって『大病院占拠』は同クールのドラマでもトップの高視聴率を記録しましたが、褒められた話ではないですよね。明らかに予算と時間が足りなかったんだなと感じさせます。

 地上波ドラマの制作費は1話につき2、3000万円とも言われますが、削減が加速することで、どんどん配信ドラマとの予算の差が顕著になりつつありますね……」(前出の民放キー局関係者)

 Netflix(ネトフリ)やAmazonプライムビデオ(アマプラ)など、海外資本のインターネット配信コンテンツが目覚ましい勢いで普及しているが、同メディアの最大の強みは潤沢な予算だと言われている。

「これは完全なデマですが、2016年に東映が、アマプラで『仮面ライダーアマゾンズ』を制作するにあたり、“Amazonから貰った1話分の制作費を最終回までの全13話分だと勘違いしてその金額で作ってしまった”という逸話を、多くのファンが疑問を抱かずに信じてしまっていたくらいに、日本と海外では制作費のスケールに大きな差があります。

 最近のネトフリの作品で言うと、佐藤健さん(34)と満島ひかりさん(37)のダブル主演ドラマ『First Love 初恋』は、地上波ドラマでは太刀打ちできない潤沢な予算で制作されていたといいます」(前同)