かつては世界屈指の“ものつくり大国”として知られた日本。近年では人件費の安い東南アジア諸国にそのお株を奪われている状態だ。

 そんな中、復活の狼煙を上げようというのがお家芸の自動車産業だ。特に次世代の自動運転技術には大きな注目が集まるという。サイエンスライターの川口友万氏が話す。

「日本は自動運転技術の先進国。1960年代から研究を始めて、77年に世界初のコンピューター制御による自動運転システムを開発しました。トヨタをはじめとする自動車メーカーは自動運転車を開発していますが、そこには国産AIが使われています」

 他方で、近年、話題に上がるロボット産業はどうか。

「人型の二足歩行ロボットは米・中が先行していますが、工場などで使われる産業用ロボットでは世界シェア上位10社のうち4社が日本企業です。こうしたロボットで培われた技術とAIを組み合わせた“フィジカルAI”が、日本の次なる勝ち筋と言われています」(経済ジャーナリスト)

 高市政権が打ち立てた、現実世界で活躍する自動車やロボットとAIを組み合わせる「フィジカルAI」戦略。 

 だが、これらを動かすエネルギーは大きな課題だ。AIの情報処理に莫大な電力を要し、自動車では脱ガソリンに向けたクリーンエネルギーが求められている。

「東京大学が進める“人工光合成”こそ世界をリードする研究です。光と触媒で水を分解し、水素を取り出す技術で、実用化すれば、石油に代わる、メタノール燃料を低コストで生産できるとされています。水素自動車の普及や、発電所の燃料問題の解決に期待されています」(前出の川口氏)

 また、高市首相が国家戦略技術に位置付けた“核融合電力”も、見逃せない。

「水素やリチウムを燃料とする核融合炉を使った発電は、次世代のクリーンエネルギーと言われています。

 そして、その核融合炉の要となる“高温超伝導材料”は、日本の『フジクラ』が開発。現在も独占状態です。フジクラの株価が去年、何倍にも急騰しているので、世界市場からの期待の大きさもうかがえます」(前同)