■米国が撤退をした電磁砲実験に成功

 技術立国復活の狼煙は、経済分野にとどまらず、国防にも及んでいる。 1月16日、防衛省が、新装備・レールガンの洋上射撃試験の映像を公開し、国内外で大きな話題となった。軍事ライターの黒鉦英夫氏が、こう解説する。

「レールガンは電磁砲と呼ばれる最新鋭の兵器です。火砲と違い火薬を用いず、すさまじい威力で金属片を射出することができます。従来の砲弾に比べて理論上、飛翔速度、射程とも3倍以上になるとされ、しかもコストは20分の1程度に抑えられます」

 ゆくゆくは護衛艦に搭載して運用し、迎撃が困難とされる極超音速ミサイルの迎撃などを担う可能性があるという。

「レールガンは各国が1990年代から開発を進めましたが、技術上の困難が確認され、米軍は事実上撤退。中国と日本が開発を進めていますが、日本は昨年7月に試験艦『あすか』に搭載し、洋上発射実験を成功させました」(前同)

 もう一つ、注目を集めるのが、スタンドオフミサイルだ。射程距離が長く、敵のミサイルの射程圏外から安全に発射できるため、極めて高い抑止力を持つ兵器と言われている。

「日本のミサイル技術は高く、誘導技術や命中精度は世界トップレベルです。この技術を生かし、防衛省と、三菱重工などの企業が百発百中の“神ミサイル”と評される12式地対艦誘導弾などをベースに、スタンドオフミサイルの開発を進めています」(同)

 また、ウクライナ戦争を機に重要性を広く認知されたのが、ドローン兵器。

「日本は、他のドローン先進国に比べると技術的には半歩遅れていますが、これは、研究に本腰を入れるのが遅れたのと研究予算が少なかったため。

 かつてはラジコンカー市場で日本が世界トップでしたし、このときに培われた技術がドローン開発にも大きく寄与します。防衛省は25年度当初の予算の3倍をドローン技術につぎ込むとされているので、期待大です」(同) 

 進歩し続ける日本の技術。今後もまだまだ誕生しそうだ。

【後編】「カエルの細胞でがんをなくす」「日大で進む宇宙開発」世界が羨む「ニッポンのすごい技術」では我々の身近にある科学技術で近年大いに進歩した物を詳報する。