■敗因はTBS側の読み違い
ファンは出来つつあるようで、歌とダンス、衣装に対する反応が多く、従来のアイドル好きがハマっている感がある。だが、アイドル好きはともかく、一般視聴者を巻き込めなかった。熱心なファンが多ければNAZEの配信コンテンツ『ナゼドリ?』の再生も伸びそうだが、そちらも寂しい限りで、少数のファンが盛り上がっているだけのようだ。
アイドルグループの成長物語となると、同局系の22年放送『君の花になる』と比較してしまうが、本作はグループ自体をフォーカスさせすぎているような気が。『君の花になる』は寮母役の本田翼(33)と各メンバーの交流があったからこそ、メンバーの個性もはっきり見えたし、そこが8LOOM(ブルーム)人気につながった。
それに比べると、ライバルのTORINNERとの対立関係やK-POP業界の描写が多く、NAZEメンバーの個性が見えるエピソードは薄い。ドラマの力でNAZEを魅力的に見せるのは正しいと思うのだが、ドラマ自体の魅力が今ひとつなので、どうにも思い入れができない。ドラマファンが生まれないことが、現在の数字、NAZEの勢いのなさにあらわれているのだろう。
K-POPグループだから韓国ドラマテイストを増やし、ベタなドラマ展開にしたほうがいいと考えたのだろうが、見ているのは日本の視聴者だ。そのあたりの読み違いが本作の敗因だろう。とはいえ、まだ始まったばかり。NAZEメンバー、中村倫也やNAZEのマネージャー・遠藤水星役を演じる池田エライザ(29)の奮闘を描き、一般視聴者を巻き込むドラマチックな展開を期待したい。(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。