■メロいジェシーが楽しめればそれでいい?

 確かに、佐伯(藤木)が怜治(ジェシー)にしゃべりすぎたことで、こずえの背景の解説係となっていて、「拘置所に来ていないで捜査一課の仕事をしろよ」と思ってしまう。ほかにも、毎回のように乱闘が起こる拘置所の無法地帯ぶり、脱獄のトリックを“内通者”であっさり片づけてしまう単純さなど、サスペンスとは思えないトンチキ展開に満ちている。

 そんな本作の見どころといえば、ジェシーのメロさだろう。X上では、《演技ももちろん好きだけど、何より光のない目をして前髪下ろしたジェシーのビジュと低めの声がメロすぎて毎話ありがとうございますになっている》《ジェくん無表情の時マジでアンドロイドというか麗しいお人形感すごいよね》などと、ファンは大いに喜んでいる。

 ラストで怜治がこずえ(篠原)を後ろから抱きしめた、2人のロマンスの匂わせは完全にファンサービス。必然性のない乱闘シーンも同じくだ。怜治と父・春臣(竹財)のクズな青年時代はジェシーの二役だが、明確な演じ分けができていないため、むしろジェシー本人のメロさを素直に堪能できる。ジェシーを楽しむのなら、とてもよくできたドラマといえるだろう。

 内容こそツッコミどころ満載だが、配信サービス・TVerのお気に入り登録数は61.4万(5日午後3時現在)と健闘。これには、一般に広く浸透したSixTONESとジェシーのパワーを感じる。選挙特番と冬季オリンピック中継で、次回放送まで3週間も待たされてしまうが、細かいことは言わず、旬のジェシーを楽しみたい。(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。