今、世界で未成年のSNS利用が物議となっている。
「昨年12月、オーストラリアで世界初となる“16歳未満のSNS利用を禁止する法律”が施行されたんですが、これに追随する動きがヨーロッパや東南アジアを中心に目立っているんです。
スペインのサンチェス首相は“デジタルの無法地帯から子供を守る”と名言。16歳未満のSNS使用を全面的に禁じるとともに、プラットフォームに対しても年齢確認システムの導入を義務付ける方向で動きました。同様の規制はイギリスやフランスなどでも検討されていて、ギリシャやデンマークでも15歳未満を対象にした利用制限の動きが出ています」(全国紙外信部記者)
急ピッチで“子供のSNS規制”に向かう背景として、InstagramやFacebookを運営するMeta社の「不誠実な実態が暴かれたのも大きい」とする意見もある。
それは、いったいどういうことなのか――。
成蹊大学客員教授で『スマホで受験に失敗する子どもたち』などの著書がある高橋暁子氏は、こう解説する。
「Meta社が運営するInstagramは、日本を含めて基本的に13歳未満が使用できないように設計されています。しかし、もっとユーザーを増やしたい運営サイドは、ローティーン向けのInstagramを新たに開発しようとしたんです」
実はMeta社の研究者の間では、「Instagramは麻薬。我々は実質的に売人だ」「10代の若者は夢中になっているが、Instagramを使っている時間はメンタルヘルスに悪影響を及ぼす」といった報告が上がっていたのだが、それにもかかわらず、これら“不都合な事実”を隠蔽したうえでプロジェクトを推進していたのである。
これには当然、世界中から猛批判を浴びることになった。
「日本においても“規制すべし”という声が大きくなっています。闇バイト、パパ活、海外売春、薬物売買、怪しげな投資案件、ポルノ動画など有害な投稿や広告がSNSには散乱していますからね。もちろんこうした問題はInstagramだけではなく、TikTok、X、Facebookなど他のプラットフォームも同じ。中には“LINEグループはいじめの元凶”“ついでにAIにも年齢制限を導入したほうがいい”などの意見もあります」(前出の外信部記者)
若者が好むInstagramやTikTokでは、過剰に加工が施されたキラキラ女子の姿が大量に流れてくる。
「そういった写真や動画をローティーンの子が見ることで、“それに比べて自分は太っていて醜い”“生きている価値がない。死ぬべきだ”など思い詰めてしまう。それで自己肯定感が下がったり、さらには摂食障害に陥ったりしてしまうこともあります。あとはネットを通じた性被害や脅迫も後を絶たないんです」(前出の高橋氏)
Appleの創業者、スティーブ・ジョブスが自分の子どもにiPhoneやiPadの使用を禁じていたのは有名な話。話を聞くほど「百害あって一利なし」と断罪したくなるもなるが、一方では別の意見もある。