■朝ドラ出演は4度目の夙川アトム――過去の芸人としての顔

 当時の夙川は、大きなサングラスをかけ、セーターやカーディガンを肩に掛けて袖を前で結ぶ“プロデューサー巻き”、そして携帯電話とメモ帳――絵に描いたようなテレビ界のイケイケプロデューサー姿でネタを披露していた。

 夙川のネタは、バブル期に流行した「ザギン(銀座)でシースー(寿司)」など“逆さ言葉”を誇張しながらトークをしつつ、昔話の紙芝居を披露するショートコントがメイン。

「バッチリジュルスケ帳(スケジュール帳)にメモってますんで」「バーチー(千葉)のサラヅキ(木更津)」「か~しむ、か~しむ(むか~し、むか~し)」など、もはや何を言ってるのかわからないセリフの数々が絶え間なく飛び出すネタだった。

 単に“逆さ言葉”を使うだけでなく、視聴者の年齢層と性別を指す用語にちなんだ「F3のちゃんばーとM3のちゃんじー(50歳以上のおばあちゃんとおじいちゃん)」など、多くのパワーワードがテンポよく出るネタが大ウケし、人気を博していたのだ。

「そんな夙川さんでしたが、2011年に芸人活動を休止し、以降は俳優として活動するように。現在まで演技派俳優として多くの作品に出演していて、朝ドラ出演も今回が4度目です」(前出の女性誌編集者)

 夙川は、芳根京子(28)主演の『べっぴんさん』(2016年前期)で朝ドラデビュー。主人公が立ち上げた子どもメーカーの取引を担当する大手百貨店社員・小山小太郎として中盤から最終週まで活躍した。NHK BSプレミアムでは、彼を主役としたスピンオフドラマ『恋する百貨店』も放送され、これが夙川にとってドラマ初主演作となった。

 その後も、戸田恵梨香(37)主演の『スカーレット』(19年後期)、趣里(35)主演の『ブギウギ』(23年後期)、そして今回の『ばけばけ』とNHK大阪制作の朝ドラの常連俳優になりつつある。

 朝ドラ以外にも、『イチケイのカラス』(21年4月期)、『元彼の遺言状』(22年4月期)といったフジテレビの月9に出演したり、テレビ朝日の看板作品『科捜研の女』に2度(17年と20年)別の役で出演するなど、民放のメジャーな枠のドラマでも活躍。完全に俳優としての地位を確立している感じだ。

「夙川さんが芸人として活動していたのは1999年から2011年までの約12年。すでに俳優としてのキャリアの方が長いですが、今回『ばけばけ』への登場で芸人時代のことを思い出す人が多いくらい人気のある人でしたね。お笑い好きからすれば、現在の夙川さんの俳優としての売れっぷりはクリビツ(ビックリ)ではないでしょうか」(芸能プロ関係者)

 夙川は『ばけばけ』で演じる荒金のことを《『ばけばけ』の世界に少し顔を出す、何も残さない通りすがりの男》と表現している。言い回しから出番は短そうだが、カイデー(デカい)なインパクトを残しそうだ。