■コンビニおにぎりの「冷凍化」は今後進むのか

 前出の渡辺氏によれば、コンビニにとっておにぎりは“メイン商材”。全国のコンビニでの売上を合計すると“1日1万個は売れている国民食”だ。そんなおにぎりの“冷凍品”は、消費者にとってもメリットが大きい。

「瞬間冷凍の技術が今は上がっているので、むしろ鮮度を保てるのはもちろん、保存料を低減できる可能性がある。また、自宅で冷凍保存しておけばいつでも食べられます。今、コンビニはパスタやチャーハン、惣菜など、冷凍食品をとにかく拡充していて、実はシニアの利用率も高いんですよね」(渡辺氏=以下同)

 惣菜類の冷凍商品化は今後ますます加速していく――と渡辺氏は見ている。ここで気になるのは、24年度には5兆3698億円の売上を誇り、2位のファミリーマート(3兆2438億円)に大差をつけた“絶対王者”セブン-イレブンの動向だ。セブン‐イレブンはまだ冷凍おにぎり戦争に“参戦”していない。“絶対王者”は今後、どう動くのか。

「冷凍おにぎり用の製造ラインを作らないと、なかなか全国展開は大変です。ローソンはそれを3年ぐらいかけて整えた。ファミリーマートもまだ(販売地域は)限定的で、全国で売るほどの体制が整っていない。そしてセブン-イレブンは、外部の工場とのビジネス密度が深いため、いきなり冷凍おにぎりを作ってくれとは言いづらい側面がありそうです。ただし今後、参戦せざるを得ないという課題感はあるのでは」

 コンビニ業界で静かに幕を上げた『冷凍おにぎり』戦争。本格化へのカウントダウンは既に始まっている――。

渡辺広明
1967年生まれ、浜松市出身。 東洋大学法学部経営法学科卒業。株式会社ローソンに22年間勤務し、店長・スーパーバイザーを経て約16年間バイヤーを経験。日用品を中心に、さまざまなメーカーと約780品目の商品開発に携わる。
顧問、講演、メディア出演等幅広い活動を行っており、現在フジテレビ『LiveNews α』レギュラーコメンテーター。Tokyofm『馬渕・渡辺の#ビジトピ』パーソナリティ、YouTube『やらまいかビジニュース』。著書に『コンビニが日本から消えたなら』(ベストセラーズ)、『ニッポン経済の問題を消費者目線で考えてみた』(フォレスト出版、馬渕磨理子との共著)等。