安くて早いがウリのハンバーガーチェーン。それが今、高価格路線へとシフトし始めている。
「外食最大手のゼンショーホールディングスは、2月16日に子会社の『株式会社ロッテリア』を『株式会社バーガー・ワン』へと社名変更しました。既存のロッテリア店舗も、3月末に新ブランドのゼッテリアに統一されます。ゼッテリアはロッテリアの絶品バーガーシリーズを引き継ぎ、品質重視のハンバーガーチェーンとしてリブランディング。ゼンショーグループ独自の仕入れ管理システムを用いて提供されるハンバーガーは、セット価格で800円~1000円台の商品が中心で、940円(税込・店舗別・断りが無ければ以下同)の絶品チーズバーガーセットが人気を集めています」(全国紙経済部記者)
一方、アルコールの提供に活路を見出したのは『フレッシュネスバーガー』だ。
「『フレッシュネスバーガー』では、16時から限定でバル飲みプランを提供しています。ビールやハイボールなど、290円のドリンクに1フードを合わせたフレバルセットは650円~750円。従来のファストフードとは異なる動きですが、女性客を中心に注目を集めています」(前同)
こうした流れが、日韓ワールドカップが開催された2002年にハンバーガーを1つ59円(税別)で販売し、その圧倒的な安さから”デフレの王者”と呼ばれたマクドナルドにも変化をもたらしているという。
「日本マクドナルドは、2月4日から3月上旬までの期間限定で『行った気になる!N.Y.バーガーズ』を販売します。ニューヨークをイメージしたシリーズは22年にスタートし、23年と25年に続いて今年で4回目。全5種類のハンバーガーのうち、17時から販売となる夜マック『N.Y.ダブル肉厚ビーフ ペッパー&ビーフソテーセット』は1090円(店舗別)。500円から600円台のセットメニューが中心の同社にとっては、異例の高価格帯となっています」(同)
『チーズオムデミハンバーグ定食』(1380円)や『デミたまハンバーグ定食』(1080円)などの高価格メニューを連発している『松屋』や、『手仕込とんかつカレー』(1192円)に『海の幸カレー』(1016円)など1000円超のメニューが当たり前の『カレーハウスCoCo壱番屋』のように物価高の影響から定食価格が1000円超と高級化するチェーン店は少なくない。それでもセットメニュー「1000円の壁」がかつての“デフレの王者”にまで波及したとなると穏やかではない。小売・サービス業界に詳しいムガマエ株式会社代表、経営コンサルタントの岩崎剛幸氏は、マクドナルドが高価格帯メニューの販売に踏み切った背景について次のように指摘する。
「世界チェーンであるマクドナルドは、世界中のエネルギー価格や仕入れ原価の高騰がコストに直撃してしまう。そのため、現在の市況だと商品の値上げに踏み切らざるを得ない側面があります。日本マクドナルドも一部商品を値上げしていくと説明していますが、そのやり方が非常にうまい。今回のニューヨークシリーズのように期間限定商品や、季節限定、地域限定、夜限定など、値段を上げる明確な理由を持った商品を投入しています」