加齢とともに体のパーツにはガタがくるもの。だが、努力次第で耐用年数を延ばせるのが、歯だ。しかも、適切なケアは、さまざまな病気や症状の予防につながり、健康寿命を10年伸ばすことも可能なのだ。そこで、50代からの「歯磨きの新常識」を大公開しよう。まずは歯を磨くタイミングや回数など、ベーシックな知識から。

『おとなの歯磨き』(フローラル出版)の著者でもある訪問歯科医の伊東材祐氏は、こう言う。

「これまで80~90代の方を7万回以上、診てきました。その年齢まで元気に過ごしているのは、細菌の除去と歯周ポケットのデトックスがきちんとできている方たちです。なんとなく歯を磨いていてはダメ。歯磨きは寿命を延ばす行為なんです」 

 歯磨きが虫歯予防のためだけの行為だと考えられていた時代は過ぎ去ったのだ。

 審美歯科『ホワイトホワイト ルミネ新宿店』の歯科医・石井さとこ氏が、磨くタイミングを力説する。

「理想は、起床直後と朝食後、そして昼食後、就寝前の合計4回。私は、そうしています」 

 寝ている間は菌が増えやすいため、就寝前と起床直後は重要だ。そのうえで、食後も磨くのがベストとなる。ただし、「食後すぐの歯磨きはNG」説もある。

「食後は口の中が酸性になり、歯の表面のミネラルが溶け出しやすくなります。酸の強い飲食物ではエナメル質が溶けることもあるため、口中が中性に戻るまで、食後約40分置くほうがいいといわれています」(前同)

 だが、せわしない朝食後や昼休みに、40分も待ってから歯を磨くのは、あまり現実的ではない。「結果的に磨きそびれるぐらいなら、食後5~10分後に磨くのでいいでしょう」(同)

 もっとも、磨き方が雑なら意味がない。「口内には約700種類の細菌がいるといわれていて、そのうち約20種類が歯周病菌です。この歯周病菌を除去するためには、歯だけでなく歯茎も掃除をする必要が」(前出の伊東氏)

 一方、歯科衛生士の資格を持つグラビアアイドル・森くるみ氏によれば「力を入れてゴシゴシと磨くのは良くない」とのこと。

「そうすることで歯茎に炎症がある人は、さらに、それを悪化させ、歯肉炎や歯周病を招いてしまいます。なので、絶対に優しく磨いてください。ボールペンを握るような“ペングリップ”にすれば、自然と適度な力加減で磨けます」(前出の森氏)