■井口以外に常田大希も発信していたKing Gnuライブ合唱への見解

 ライブ中に観客が歌うことについて、音楽事務所関係者は話す。

「ライブ中に観客が歌ったり、大声でコールを入れたりすることについては、常に議論の対象となります。たしかに、近くの観客が大声で歌っているせいでアーティストの声がかき消されてしまうというケースはよくあることですが、一方でライブは自由に楽しむべきだという考え方もある。また、井口さんのようにアーティスト側から“自由に歌ってくれ”と発信されることも珍しくない。いろいろな意見や考え方があるなかで、いつも議論され続けてきた問題だと言えます」

 井口はこれまでにも、ライブ中の歌唱を認めてきた。2025年2~3月にかけて行なわれたツアー中にも、《昨日はみなさん沢山歌って踊ってくれて大変楽しかったです》《お客様方、今回も死ぬほど歌ってくれて構いません》と自身のXに投稿していた。

 また、King Gnuのギター・ボーカル常田大希(33)も、ライブ中の観客の合唱について過去に言及したことがある。

 24年3月24日、常田は自身のXにて、King Gnuのライブ動画とともに、《1人部屋に引き籠って作った曲なのに、そこに仲間が三人も乗っかってきてくれて、さらに何十万もの人々がその曲に共鳴して大合唱してくれるんだぜ。こんな夢みたいな仕事無いだろ。あんたらもバンドやりなよ》と投稿。観客による合唱に対して、肯定的な発信をしていたのだ。

「ステージと客席との一体感というのもライブの醍醐味のひとつですから、ライブでの合唱をNGにするのは現実的ではない。ただ、ライブの楽しみ方は自由だとしても、観客側からしてみれば、同じ観客が何をしてもOKではないのも事実です。たとえば、周囲の観客にぶつかるほど激しく踊るのは迷惑行為ですし、大きすぎる声で歌うのも迷惑行為になりうる。

 曲中に合いの手を入れたり、メンバーの名前を呼んだりするのが定番となっている女性アイドルのコンサートでは、開演前に“声出しはOKですが、周囲に迷惑がかかるような行為はお控えください”といった注意事項がアナウンスされることもあります。観客側がある程度の節度を守ったうえで自由に楽しむことが何よりも大切です」(前出の音楽業界関係者)

 ちなみに、SNSでは今回のKing Gnuの一件を受けて、《洋ロック、例えばこの前のオアシスとか全員声が枯れるほど大声で歌ってたと思うけど周りの音はあまり耳に入らないくらいバンドが基本爆音 もしかして邦ライブって音がバカデカくないのかしら…?》と、音響の問題を指摘する声もある。

「たしかに海外で行なわれるライブでは、観客が大合唱をするのも一般的です。当然ながらライブの音響も観客の合唱を想定したものとなっており、かなりの爆音で演奏されることも多いわけです。もしアーティスト側が大合唱を“推奨”するのであれば、それに適した音響を整える必要があるわけですが、そうなると今度は会場周辺への騒音対策が問題になってくる。今すぐ答えが出せるものではないというのが現実ですね」(前同)

 少なくとも、King Gnuのライブに関してはライブ中の大合唱は肯定されているが、議論はまだまだ続いていきそうだ。