■志田未来に松田龍平…大物俳優が仰天脚本で大活躍
ドラマには、やたらタイムリープものが多かったり、超能力ものだらけだったりと、シーズンによって“設定のトレンド”があるが、前出のドラマ評論家の吉田氏によれば、今期はあまりドラマの設定に“被り”がないのだという。そんななか、今期、吉田氏の目を最も惹きつけたのは日曜劇場『リブート』だという。
「主演の鈴木亮平さんが複雑な役を演じていることで話題の『リブート』は、これまでの日曜劇場にありがちな“血と汗と涙と努力”というだけではないミステリーサスペンス。いい意味で“日曜劇場っぽくない”緊張感を漂わせていて、ストーリーはややこしいのですが、だからこそ毎週釘づけになる構成は巧みだなと思います」(吉田氏・以下同)
続いて、注目作として上げるのが杉咲花主演の『冬のなんかさ、春のなんかね』。
「新しい! と思ったのは、ヒロイン(杉咲)の恋愛遍歴が全部見えること。NHKの朝ドラは多少なりともそれまでの人生を描くから、恋愛遍歴も描かれてきたけど、それ以外のドラマで、男性はともかく女性側の過去の恋愛を赤裸々に見せるというのはありませんでした。
ヒロインの男性関係は、派手じゃないほうがウケがいいから、なんとなくそういったものにフタがされてきたけど、そこをブチ破った。会話劇が多く、展開があまり早くなく、役者に語らせるのも新しい試みですね。好みは分かれるところですが」
その他、「ドラマとしては無理めな設定でも、それを吹き飛ばす痛快さや真剣さがあるドラマが多い」という。
「志田未来さん(32)主演、『未来のムスコ』(TBS系・火曜・22時~)もひねりがあっておもしろいです。未来から息子が来て、仕方ないから子育てを始めるんだけど、父親かもしれない候補が出演者の中に3人もいる。そのうちの誰かかもしれないし、また他の誰かかもしれない。漫画原作でテンポのよいドラマに仕上がっていて、ジャンルとしてはタイムスリップものなんだけど、新機軸。
『東京P.D. 警視庁広報2係』(フジテレビ系・火曜・21時~)は警察が舞台というのはありきたりなんだけど、福士蒼汰さん(32)が演じる主人公が広報の部署に勤めているという設定が新しいですね。
地味な職業でいえば、柿澤勇人さん(38)が初主演で葬儀屋の社長役を務めている『終のひと』(TBS系・火曜・0時58分~)は、余命宣告を受けて自分ひとりでやってる葬儀屋さんの話。どうしようと思っていたら新人が入ってきて、葬儀のいろはを叩き込んで育成していくというストーリーです」
深夜枠では、松田龍平(42)が主演する『探偵さん、リュック開いてますよ』(テレビ朝日系・金曜・23時15分~)に注目だという。
「松田さんが発明家で、空を飛ぶ機械つくっちゃったり、ひなびた温泉街でおきたトラブルを解決したり。番組クレジットには企画に松田さんの名前が出てくるんですけど、いかにも『ドラえもん』の世界が好きな男性が考えましたという感じのドラマで魅力的です」
吉田氏は、「本来、それぞれの“味”があるドラマがたくさんあったほうがいい」と話す。視聴率ばかりにとらわれていると、見えないものがある――ということを、今期のドラマは示しているのかも。