日本競馬界のレジェンド・武豊が名勝負の舞台裏を明かすコラム。3月8日の阪神競馬5Rではシュネルアンジュ、11R大坂城ステークスではサブマリーナに騎乗予定の、彼のここでしか読めない勝負師の哲学に迫ろう。
(以下の内容は2026年3月2日に寄稿されたものです)
3月1日の競馬をもって、国枝栄先生、小西一男先生、佐々木晶三先生、土田稔先生、西園正都先生、根本康弘先生、南田美知雄先生、7人の調教師の先生が、ターフに別れを告げました。
調教師の定年は、70歳に達した日以降、最初の2月末日と決まってます。現役を退かれることはすでに分かっていて、心の準備もしているはずですが、いざ、その日を迎えると感傷的になってしまいます。
アーモンドアイらを育て、名伯楽と呼ばれる国枝先生とは、美浦と栗東という垣根を超えたご縁を結ばせていただきました。
2人でGIのタイトルを取りましょうという約束を果たすことができなかったのが、唯一の心残りです。
“馬本位”を掲げる小西先生とは、心強いタッグパートナーとして、またあるときには強力なライバルとして、数多くのご縁をいただいてきました。
佐々木晶三先生との思い出と言えば、もう文句なくキズナです。思うように勝てず、もがいていた僕を救ってくれたのは、前田幸治オーナー、佐々木先生、そして、名馬キズナでした。
サダムパテックでマイルCSを制覇(2012年)。レース後のインタビューで、西園先生が言ってくださった、「武豊は競馬界の宝物です」という言葉は、今も忘れることができません。
コパノキッキングでお世話になった根元先生、ダート戦線で実績を残された土田先生、騎手時代を含め半世紀以上にわたりホースマンとして活躍された南田先生、本当にお疲れ様でした。
できれば、これからも、ちょくちょく顔を見せていただき、僕ら後輩にいろんな話を聞かせてください。