■テレビ朝日、最大の功労者は米倉涼子という事実

 年が明け2026年1月20日、米倉は麻薬取締法違反の疑いで書類送検されることになった。その後、1月30日には東京地検が米倉の不起訴処分を発表する。「この判断が『劇場版ドクターX  FINAL』の地上波放送につながったのでは」と語るのは元テレビ朝日プロデューサーの鎮目博道氏だ。今回、テレ朝が『劇場版ドクターX  FINAL』の地上波放送を決定した経緯を鎮目氏が推察する。

「米倉さんは不祥事を起こしたと報じられましたが、有罪判決を受けたわけではありません。不起訴処分となっています。また、米倉さんを起用して新ドラマを放送するのと、過去の出演作を放送するのとでは扱いも異なります。米倉さんは不祥事を起こしましたが、それが発覚したのは映画の公開後ですので、局としては米倉さんが不祥事を起こす前に出演した映画を地上波で放送することに問題はないと判断したのでしょう」

『ドクターX』シリーズはテレビで放送された7シーズンすべての番組平均世帯視聴率(ビデオリサーチ調べ/関東地区・以下同)が15%超。13年に放送されたシーズン2に至っては全話平均世帯視聴率23.0%という驚異の数字を記録している。前出のテレ朝関係者が言う。

「テレ朝のドラマ部門の地位を押し上げてくれたのは、水谷豊さん(73)主演の『相棒』シリーズと1月23日にスペシャルドラマでラスト作『科捜研の女 FINAL』が放送された沢口靖子さん(60)主演の『科捜研の女』シリーズ。それと米倉さん主演の『ドクターX』であるのは間違いない。

 局内からも“不起訴処分になったのだから功労者である米倉さんの復帰を後押ししたい”という声が上がったことで、今回の劇場版の放送につながっているのではないでしょうか」

 鎮目氏は今回『劇場版ドクターX  FINAL』が地上波で放送されることで視聴者やCMスポンサー企業が示す反応が、今後の米倉の女優生命を左右することになると話す。

「今回の映画の放送の視聴率も良く、視聴者が“やっぱり米倉さんをテレビで見たい”というような反応を示せば、今後、米倉さんの地上波復帰の可能性も出てくるでしょう。一方で、スポンサーや視聴者の反応が芳しくないようであれば、地上波への復帰はなかなか難しいと言わざるを得ないでしょうね」

 2月10日に都内で行なわれた、Amazon Prime Videoで2月13日から全世界での配信が始まった映画『エンジェルフライト THE MOVIE』の完成披露試写会では、涙ながらに「この場に立てているのはファンの熱い思いと関係者の手厚いサポートのおかげ。感謝しています」と語った米倉。今回、深い関係があったテレビ朝日で“動き”があった国民的女優は、再び地上波ドラマで輝くことはできるだろうか――。

鎮目博道(しずめ・ひろみち)
テレビプロデューサー。92年テレビ朝日入社。社会部記者、スーパーJチャンネル、報道ステーションなどのディレクターを経てプロデューサーに。ABEMAのサービス立ち上げに参画。「AbemaPrime」初代プロデューサー。2019年独立。テレビ・動画制作、メディア評論など多方面で活動。著書に『アクセス、登録が劇的に増える!「動画制作」プロの仕掛け52』(日本実業出版社)『腐ったテレビに誰がした? 「中の人」による検証と考察』(光文社)