毎日一緒に生活している愛犬や愛猫。医療の発展もあって最近は平均寿命も延び、10~17年ほどを共に生きていくことも珍しくない家族の一員だ。そんなこともあって、飼い主も彼らの栄養面などを考え、"手料理"を与えたいと考える人も増えているようだ。

「ペットメディア『Petan』が行った調査によると、"一緒に生活している犬に与えている食べ物"の約25%が"手作りのご飯"と回答。猫の飼い主も、ドライフードの上にササミや魚を使った餌のトッピングを載せる人も珍しくありません。ペットも家族の一員と考える風潮が強まっている今、人間の食事に近いエサを与えたいと考える飼い主さんは少なくないでしょう」(ペット情報誌ライター)

 せっかくなら、愛犬、愛猫にはおいしいものを食べてもらいたいと思うのは自然な感情。その一方で、良かれと思ってあげたものが彼らの健康を損ねてしまう事故も相次いでいる。

「当院でも、食べ物によるトラブルで来院する犬猫は大勢います。体調が悪くなってしまったり、場合によっては死んでしまう可能性もあるので、与える食事や身の回りの環境には最大限注意してほしいですね」

 このように話すのは、『かまくら げんき動物病院』の石野孝院長、相澤まな副院長の二人。今回は、「犬猫が口にすると危険な食べ物」について話を聞いた(以下コメントはすべて両氏)。

 タマネギや長ネギが犬猫にとって毒だと知っている飼い主も多いかもしれない。しかし、“ネギ類”に分類される食べ物はニンニクやニラ、アサツキなど多岐にわたるほか、これらが溶け込んだ"煮汁"も猛毒だという。

「血中の赤血球の膜を破壊し溶血性貧血を引き起こすことで、グッタリしたり、血尿のような症状が出ます。ネギ類に含まれる“有機硫黄化合物”は加熱しても抜けず、むしろ煮汁に溶け込んで濃縮されるとさらに危険です」

 ネギ類のエキスが入った食べ物は、ベビーフードやドレッシングにも該当。飼い主は特に注意を払う必要があるという。

「タマネギが入ったカレーパンの外側を食べただけでも、小型犬では命の危険があります。体内で分解できない成分なので、とにかく口に入らないようにしてほしいですね」

 おつまみとして食べるナッツ類も、彼らにとっては毒となりかねない。

「アーモンドに含まれる“アミグダリン”が体内でシアン化合物を生成することがあり、嘔吐下痢、呼吸困難を引き起こす恐れがあります。少量食べたくらいでは問題ありませんが、大量摂取した場合は危険です。一方、マカデミアナッツは絶対に与えないでください。犬の場合、体重1キロあたり2~4グラムの摂取で手足の麻痺やけいれんが発症することがあります」