ただのガラクタだと思っていた物が信じられないほどの高値で売れる――。
そんな夢のような話が今、にわかに現実のものとなっている。
「ブランド品や宝石などを持ち込んでお金に換える買い取り専門店で今、貴金属類の買い取りが高値で取引されているんです。持ち込む人も多くなっていると聞きます」(全国紙経済部記者)
その原因は何か――。
「ずばり、金の相場価格の高騰ですね。ここ数年、金の高騰がニュースになっていますが、今も相場は上がり続けています。今年の1月29日には、1グラム29815円と、最高値を更新したんです。現在は1グラム27000円前後で推移と少し落ち着きを見せていますが、直近5年での値上がりは激しく、5年前の2021年は1グラム約6500円でしたから」(前同)
なぜここまで値が上がったのか。
「一つには経済が不安定なこと。2020年からのコロナ禍でアメリカが利上げをして急激な円安になったかと思えば、今は利下げ転換と、貨幣の価値の変化が激しくなっています。それに加え、戦争が起きても相場は上がりますね。ウクライナや中東での紛争が起きたときもそうでした。そんなときは、実物資産である金の価値が上がるものなんです」(同)
これまでに世界で採掘された金の量は約20万トン、オリンピックで使用するプール約4杯分しかないと言われている。今後の採掘量にも限界があるとの見方も強く、それを踏まえると、長期的には値上がりが続くとの予測もされているのだ。
それにしても、不要になった古いものが高値で取引されるとは、いったいどういうことなのか。ブランド品、貴金属、宝石、時計、骨董品などを幅広く取り扱う買取専門店「まねきや」の広報に話を聞いてみた。
「バブルの時代は、金が1グラム2000円台の時期もありました。今でこそ、安くても品質のいい物は多くありますが、当時は“買うならしっかりしたものを”という考えが強かったため、きちんとした素材を選ぶ方が多かったんです。当時購入した物が、そのまま家の中に眠っていたということでしょう」(まねきや広報担当)
金なんて、一部のお金持ちにしか縁がない話なのではないかと思いきや、バブル当時の金の値段を知ると印象が変わってくる。そういう物を持っている人たちが現在、買い取り専門店を訪れるということなのだろう。
「金の相場が上がるとニュースになるので、やはり持ち込みをされる人は増えますね。ただ面白いのは、相場が上がったときだけではなく下がったときも増えるんです。“これからもっと下がるのではないか”みたいな感覚で、今のうちにということなんでしょう。なので、最初から売却前提で来られる人はあまり多くなくて、現在の価値を確かめるために来店し、査定額次第で売却を検討されるケースが多いです」(前同)