■水面下で早くも囁かれ始めた「次の代表監督」
一方、WBCの舞台裏では“大会後”を見据えた動きも活発になっている。
最大の焦点は、やはり「次期代表監督」だろう。
とある球界関係者が声を潜めて、こう明かす。
「井端監督の退任は既定路線。仮に連覇を果たしたとしても、続投は100%ないと断言してもいい。
そもそも井端の“本命”は中日監督。なり手のいなかった代表監督を引き受けたのも、それがアピールになると見越してのことですしね」
そうなると、またも持ち上がるのが、なり手の不在。
現時点でも、ユニフォームを着ていない在野のOBは少なくないが、その多くが、「風当たりばかり強くてウマ味が少ない」と、乗り気ではないという。
「次回のWBCまで率いるとなると、拘束期間は丸4年。NPB指導者にまだ色気のあるOBには、復帰のチャンスをみすみす逃すことにもなるわけです。
しかも、来年にはプレミア12、その翌年にはロス五輪も控えている。そのすべてで優勝を期待されるわけですから、重圧も生半可ではないでしょう」(スポーツジャーナリスト)
そんな責任重大な次期監督候補として名前が取り沙汰されているのが、ダルビッシュ有(39)なのだ。
「大リーグでの実績は申し分ないですし、どこか近寄り難いイチロー(52)と違って、彼には後輩からの人望もある。世界を相手に戦う代表監督としても、これ以上ない適任ではあるでしょう。
ただ、問題は当の彼自身が“引退”を否定していること。3年残るパ軍との契約も、本人が“年俸を受け取らない”と言っただけで、クビを通告されたわけでもないですしね」(前同)
ダル監督の可能性について、前出の大リーグ評論家の福島良一氏はこう言う。
「彼自身、サンディエゴへの愛着を公言していますし、引退後もなんらかの形でパドレスに残る可能性は高い。
大リーグ球団の指導者をしながら、代表チームの監督・コーチにも就く例は他にいくらでもありますから、その点についても何ら問題はないと思いますよ」
では、選手たちの“大会後”についてはどうか。
気になるのが、大会後にケガや不調が頻発する“WBCの呪い”だが……。
「前回大会では、当時ヤクルトに所属し三冠王を獲った直後の村上宗隆(26)が、大谷の打撃に当てられて大きく成績を悪化させたほか、広島・栗林良吏(29)も、ふだんとは異なるトレーナーの施術によって腰椎を痛めて途中離脱。シーズンにも尾を引くほど明らかな影響が出た。
強化試合で明らかに大振りになった阪神の佐藤輝明(26)などは、早くも兆候が出ています」(関係者)
ちなみに、同じく前回大会では、プエルトリコのE・ディアス(31・現ドジャース)がドミニカへの勝利に歓喜しすぎて、右膝の腱を全断裂。シーズン全休を余儀なくされているから、まさに一寸先は闇である。
「選手に言わせると、ボールの感覚を戻すのは“そう難しくない”とか。ただ、やはり連覇でもしようものなら、“燃え尽き症候群”のような症状は人によっては顕著に出る。高橋宏斗(23)も、前回大会後は開幕から5連敗と苦しんでいましたからね」(前同)
野球界最高の祭典は、宴の後も見逃せない……。
【前編】佐藤輝明とダルビッシュの“キナ臭い密談”でチームに不協和音!? WBCが10倍楽しくなる裏ガイドでは、阪神・佐藤輝明とダルビッシュの“キナ臭い密談”の内容や、投手陣が代表コーチそっちのけで“ダル詣で”を繰り返したことで生まれたチームの亀裂なども詳報している。
福島良一(ふくしま・よしかず)
スポーツジャーナリスト、メジャーリーグアナリスト。千葉県出身。学習院高等科、中央大学商学部卒業。大学在学中から主としてメジャーリーグの評論・取材を行っている。主な著書に『日本人メジャーリーガー成功の法則 田中将大の挑戦』(双葉社)『もっと知りたい!大谷翔平 SHO-TIME観戦ガイド』(小学館)など。