■気づかぬうちに「加害者側」になる最悪のケースも
元神奈川県警の刑事で、犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は、ニセ警察官の対処法について教えてくれた。
「警察官がいきなり電話をかけてくることは、ほぼありません。電話が来たらいったん通話を切り、最寄りの警察署に相談してください。また、直接訪問してきた場合は、所属する警察署名と警察手帳の提示を求めること。それに応じなければ帰ってもらいましょう」
SNSを使った投資・ロマンス詐欺は、細かいところまで目を通し、冷静に判断をするのがポイントだ。
「海外の犯罪グループが関与している場合、アプリやサイトの日本語表記が不自然なことがあります。口調が不自然だったり、漢字が中国語表記だったりしたら要警戒。また、投資会社を名乗っているにもかかわらず、振込先が法人ではなく個人口座の場合も不自然です。こうした細かな違和感に、どれだけ気づけるかがカギです」(前出の詐欺や悪質情報に詳しいジャーナリストの多田文明氏)
そして何より、自分はだまされないと過信をしないこと。詐欺の手は思わぬところに潜んでいる。
「繰り返し被害に遭うケースも増えています。一度だまされると個人情報が犯罪者の手に渡ってしまい、別の詐欺に巻き込まれます。
お金がなくなると、今度は口座の提供を求められ、それが犯罪に使われて、気づかぬうちに加害者側になっていることもある。そうした負の連鎖に陥らないためにも、ふだんから対策を心がけてください」(前同)
知ること、疑うこと、誰かに相談すること。その小さな行動が、被害を遠ざけるのだ。
【前編】“ニセ警察”や“ニセ社長”詐欺が急増中! 特殊詐欺に「引っかからない人」になる裏知識を専門家が伝授では、“ニセ警察”や“ニセ社長”詐欺の実態を詳報。前澤友作氏やホリエモンの名を“悪用”するケースなどにも警鐘を鳴らしている。
多田文明(ただ・ふみあき)
20年の取材経験から、あらゆる詐欺・悪質商法の実態に精通したジャーナリスト。「誘われたらついていく」潜入取材を担当し、雑誌で連載。『ついていったらこうなった』(彩図社)は番組化し、特番で第8弾まで放送。以降も多数のテレビ番組に出演し、最新の詐欺の手口などを解説している。また、旧統一教会の元信者だった経験をもとに、教団の問題点を早くから指摘。あらゆる騙しの手口に警鐘を鳴らし、被害防止のための講演や講座も行っている。
三上洋(みかみ・よう)
東京都世田谷区出身、1965年生まれ。都立戸山高校、東洋大学社会学部卒業。テレビ番組制作会社を経て、95年からフリーライター・ITジャーナリストとして活動。文教大学情報学部非常勤講師。専門ジャンルは、セキュリティ、ネット事件、スマートフォン、Ustreamなどのネット動画、携帯料金・クレジットカードポイント。
小川泰平(おがわ・たいへい)
1980年4月から2009年12月まで神奈川県警察の警察官を務め、警察局長賞や警察本部長賞などを受賞。現在は、犯罪ジャーナリストとして多数のメディアに出演中。