■「やたら触る人は金払いよくても出禁よ」

 酒が入ると盛り上がるのが、下ネタトークだが、

「下ネタは全然、OKよ。ただ、自虐系とか、明るいエロ話限定。生々しい話や、私や女の子を口説くのは、周りが興ざめするだけね」(目黒区の輝美ママ・仮名=以下同)

「イヤなのが、やたら触る人。50歳ぐらいの金払いのいいお客がいたけど、酔うとアタシらの胸とお尻を触るので、出禁にしたわ」(板橋区の美沙子ママ)

 最後はスナックのお楽しみ、カラオケのお作法について。

「カラオケはスナックのBGMだから、熱心に聞く必要はナシ。自分が歌うときに“失礼します”“よろしく、どうぞ”とか挨拶して、最後に“ありがとうございました”で締めるお客さんはデキる人。極端にうるさい曲じゃなければ、ラップでもなんでも私はOKよ」(練馬区の美幸ママ)

 誰かがマイクを握ったなら、気持ちよく歌わせてあげるのが客の心得でもある。漫画家で、自身も新宿区のスナックでマスターを務める東陽片岡氏が言う。

「仲間内以外のお客さんの歌に、合いの手やハモりを入れるのは避けたほうが無難。自分が歌う番では軽くあいさつ、できたら口上をバシっと入れられると、盛り上がりますね」

“デキる客のマナー”を実践し、すてきなスナックライフを送ってほしい。

東陽 片岡(とうよう・かたおか)
1958年、東京都生まれ。多摩美術大学美術学部デザイン学科卒業後、編集プロダクション勤務のかたわら執筆した漫画作品が『ガロ』を発行する青林堂の伝説的編集者である故・長井勝一氏の目に留まり、同誌にて漫画家デビュー。昭和を感じさせるエロ・グロ・ナンセンスな作風でありながら、ほっこりした気分にさせてくれる漫画家として熱狂的なファンを持つ。新宿区荒木町にあるスナック『秋田ぶるうす』でマスターも務める。