■吉沢亮の”乙女感”もある繊細な演技が沸騰

 そして11日放送回。錦織(吉沢)はヘブンの“知事を説得してほしい”という申し出を、力になれないと謝罪。理由は「知事からの信頼が、今の私にはない」ということだが、ヘブンの「ワタシ、クマモトイッタノセイ?(※私が熊本に行ったせいか)」という問いかけには「何がきっかけかは……ただ、とにかくお力には」と、言葉を濁す。

 翌日、錦織は学校の職員室で、友人の庄田多吉(濱正悟/31)にその件を聞かれる。錦織は机に座り、授業の準備をしながら会話をしていたが、断った理由を「ヘブンさんが、お前のもとを離れていったからか?」と庄田にどストレートに問われた瞬間、凍り付いたように硬直。図星だったのか、何も言えずに黙ってしまい――という場面で、同回は終了した。

 ヘブンへの複雑な胸中を感じさせる錦織には、

《え、錦織さん、やっぱりヘブンさんが自分から離れていったから断った? なんというか…恋する乙女が失恋したかのような… なんて言ったらいいんだろ…》
《ヘブンさんのお願いを断った理由をシンプルに庄田さんに図星刺された錦織さんもう本当にヒロイン》
《錦織の醸し出す裏ヒロイン感は何w》

 といった彼の“乙女感”を指摘する声が多く寄せられている。

 ヘブンが松江を去ったのは、トキが世間からラシャメン(洋妾)だと誤解されてしまい、彼女が傷つくことに耐えられなかったから。松江を出たことは仕方のない判断だったが、錦織は「親友だけど家族じゃない」という理由から、相談すらしてもらえなかった、という背景もある。

 ヘブンが松江を去る日、錦織は体調不良を理由に見送りに参加しなかったが、その際の錦織は、体調不良だけでなく、ヘブンに裏切られたと感じたショックが大きく、彼を拒絶したのでは――と思わせる切なげな表情を浮かべていた。そして、11日放送回のラストにもそれが漂っていた。

 前述のように体重を13キロ落とし、錦織の複雑な心境を繊細に演じる吉沢には、

《錦織さんの落ち窪んだ目、覇気がない気力の無い声。吉沢亮さんの演技に震える》
《本当胸が苦しくなる。 吉沢さんの演技力がすごくて》
《錦織さんが表情どころか口調も(※元気だった時期とは)全く変わってて同じ錦織さんとは思えん、役者吉沢亮凄すぎる》

 といった、絶賛する声が多く寄せられている。

 それにしてもーーあらためて、吉沢の凄さを感じさせる。『ばけばけ』は一流の演技派俳優陣が集結している作品だが、そのなかでも吉沢の徹底した役作り、圧倒的熱量の繊細な演技は、地上波ドラマのレベルを超えているような別次元級だ。

 吉沢は、邦画史に残る大ヒット映画『国宝』での演技が評価されたこともそうだが、表情や動きだけですべての感情が伝わってくるような、そういう細かい演技が本当に見事な俳優だと言えるだろう。

『ばけばけ』の制作統括・橋爪國臣氏は第23週の内容を《錦織の週》《ヘブンと錦織の関係も変わっていきます》とコメントしている。クライマックスが近づく『ばけばけ』だが、ここが大きな山場となりそうだ。

特撮・ドラマ・映画ライター・トシ
幼少期に『仮面ライダーアギト』を観て複雑なシナリオに「何かとんでもないモノがスタートした!」と衝撃を受け、平成ライダー、そして現在放送中の令和ライダーを筆頭に、特撮作品を愛するように。
特撮出身の俳優を追う過程で一般ドラマや映画の世界にも興味を抱くようになり、旬なドラマ・映画は欠かさずチェック。エキストラとして作品に参加し、阿部サダヲや藤原竜也など一流の俳優陣の生の芝居に衝撃を受けることもしばしば。