■ミステリー要素は基本、二の次
「おそらく、木村と赤楚の描写に尺を多く使ったため、タクシー内の2人の関係を描けなかったのかもしれません。それで、弓が信用金庫で働いていた時、客のお金を使いこんだことなど、原作で描かれたエピソードが削られ、自身の名前を描いたGPSアートを突きつけられて自白するという、唐突な展開になってしまったのかもしれません」(同上)
風間に指導される新人刑事として、確かに赤楚は好演していた。しかし、その演技力が発揮されたことで赤楚の出演シーンが増え、事件解決を本筋とした物語がガタガタと崩れたのでは本末転倒だ。
「赤楚以外の新人刑事役のサブキャストも、新垣結衣(34)、白石麻衣(30)、染谷将太(30)、北村匠海(25)と豪華です。風間と新人刑事の絡みをメインに描くのだとすれば、今後も原作改変され、事件のトリックが陳腐になってしまいそうです」(同上)
また、ひき逃げ犯を恨み、拳銃による自殺を偽装した事件でも、視聴者からツッコミの声が。犯人の工場経営者・益野(市原隼人/36)が、体力不足で警察学校を退学したという設定に、筋肉ムキムキな市原では無理があると指摘が相次いだうえ、益野の幼い娘のアレルギー症状を、事件解明に利用することへの批判もあった。
俳優陣は豪華だが、脚本や演出の詰めの甘いところが随所に見られた本作。好調なスタートを切ったが、今後、視聴者離れを引き起こさないか心配だ。