■共にフジサンケイグループ、ニッポン放送と文化放送に問い合わせると――

 奇しくも両社は、ドラマやバラエティ番組の放送を行なうフジテレビや産経新聞を発行する産経新聞社と同じ、フジサンケイグループの一員だ。

「この文化放送の“横やり”に、ニッポン放送は怒り心頭となったと聞こえてきています。当初、ラジオ実況を行なうニッポン放送としては“独占生中継”と銘打ってスポンサー集めをしたかったといいます。WBCの大会スポンサーには大谷翔平選手(31)がCM出演する時計のセイコーグループや伊藤園を筆頭に、アサヒビールや三菱UFJ銀行などナショナルクライアントがズラリと顔をそろえています。それだけに、“独占生放送”が実現すれば大きな広告費が会社へと入り込むことも予想できた。

 それが、文化放送も“後出し”でWBCを放送すると決めてきたせいでこの目論見はおじゃんに。社内でも“同じフジサンケイグループなのにどういうことなんだ”という声が上がっています」(前出のニッポン放送関係者)

 特に怒り心頭なご様子なのは社を率いる檜原麻希社長だとも。

「ニッポン放送初の女性社長としても知られる檜原さんはらつ腕で有名。過去に俳優の石原さとみ(39)との交際も報じられたカリスマ経営者の前田裕二氏(38)が経営するライブ動画配信会社『SHOWROOM』へ社としての出資を決断するなど、ラジオ局の枠を越えた形で事業を進めようとする敏腕経営者です」(前同)

 今回のWBC中継も檜原社長の肝いり企画だったようだ。それだけに、文化放送のWBC中継が発表された直後は周囲に不満含みの本音を漏らしていたとされるが――。

「今回のWBC放送にあたって、ニッポン放送は全国各地のネット局に声を掛け、3月6日に行なわれた日本代表の初戦となる台湾戦では、25局での生中継を実現しました。これもひとえに少しでもCMセールスを成功させようという企業努力でした。それがこういう展開になるとは……。ニッポン放送と文化放送では、WBCの中継を行うにあたっての金銭面を含めた契約条項は違うそうですが、先に放送を決めたニッポン放送としては、完全に納得とはいきませんよ」(同)

 WBCの1試合当たりの放送権に関する契約事情やニッポン放送の檜原社長が周囲に漏らした反応について、本サイトがニッポン放送と文化放送に尋ねたところ、ニッポン放送は「契約にかかわる具体的な内容については、従来より公表しておりません」としたうえで、自局でWBCを独占生中継する計画がとん挫した点に関しては「独占について、契約元とそのような話をしておりません。文化放送が放送権を獲得した事は、同じラジオの仲間として異論はございませんでした」とのことだった。文化放送からは「回答を控えさせていただきます」との文面が届いた。

 一方で野球ファンからは《ラジオの生中継は本当にありがたい》という声が上がっている――。