■テレビ各局は2年前のフジ・日テレのようにはなりたくない
この一件を受け、両局は定例会見を通じて大谷選手への謝罪を表明している。以来、大谷選手のメディア対応は大幅に変わったとも言われている。
現に、今回のWBC出場にあたってアメリカから帰国する際も、WBCのグローバルスポンサーであり、自身の個人スポンサーでもあるJALが用意したチャーター機へとは搭乗せずに、自ら手配したチャーター機で2月24日に日本に帰国している。
「当初、大谷選手は、鈴木誠也選手(31)、吉田正尚選手(32)と一緒にJALのチャーター機で日本に帰国する予定だと言われましたが、最終的には自ら手配したチャーター機で帰国しています。自らが希望する方法で帰国したのは、家族とのプライベートを優先するためだったと見られています」(前出のスポーツ紙記者)
テレビや新聞などのメディアは、真美子夫人と愛娘も乗せたチャーター機の到着スケジュールを事前に把握していたという。実際、2月24日に羽田空港、その2日後に県営名古屋空港(小牧空港)へと到着した際には一部始終をカメラにとらえていたのだが、その姿が報じられることはなかった。
「侍ジャパンサイドから“取材はご遠慮ください”とのお達しが各メディアに来ていたのです。大谷選手のプライベートを大事にしたいという意向の表れですね。その結果、カメラに大谷選手の姿を収めても放送できないという状況となりました」(前同)
テレビ局が大谷選手の意向を最優先させるのには理由がある。
「テレビ局にとって、大谷選手は今、最も視聴率が取れる存在であり、国民が常に大注目する日本トップのスーパースター。報じる側も自社だけが大谷選手のコメントを取れないなんてことだけは、何があっても避けたい。2年前のフジテレビと日本テレビの二の舞にならないため、慎重な報道姿勢にならざるを得ないのが実情です」(前出のワイドショー関係者)
そのため、取材の主導権は完全に大谷選手にあるという。
「報道を見ていると、大谷選手はメディアに対して好意的に取材対応をしてくれているというイメージを抱くかもしれませんが、実際は波があります。シーズン中も質問に対して饒舌に語る日もあれば、ほとんど何もしゃべらずにグラウンドを後にすることもあります。
ただ、それは試合で勝つこと、ドジャースの一員として最良の結果を残すことを第一に考えているからですよね。今回のWBCでの“取材規制”もそう。侍ジャパンが前回に続いてWBC連覇を果たすために、グラウンドに集中させてほしい、ということでしょう。メディアもそれが分かっていて、慎重な対応になっていますよね」(前出のスポーツ紙記者)
前回のWBCが開催されたのは23年3月のこと。そこから3シーズン連続でナショナルリーグMVPに輝いている大谷選手。名実ともに世界一のプレイヤーとなった男の威光を前に、その姿を報じるメディアの姿勢も変化している。