■実績は十分な吉沢亮の幽霊出演

 そこで、ヘブン(トミー・バストウ)と対峙した錦織(吉沢)は「あの美しい朝靄を見ても、何も感じられなかった人に、何が書けるんですか!」などと、厳しい言葉で現実を叩きつけたが、それは錦織のリテラリーアシスタントしての最後の仕事。ヘブンが原稿を書けるように焚き付けたのだった。ヘブンの新著を手にした錦織は微笑み、数か月後、この世を去った。

 夫婦ものの朝ドラでは、パートナーの人生の方向が変わる局面では、夫、もしくは妻が重要な働きをするのが普通だ。それを錦織がやるというのは異例で、もう一人のヒロイン呼ばれるのも納得だ。X上でも、《残りの人生賭けてヘブンさんの作家魂に火をつけて、自分は笑って静かに消えていくとか、朝ドラ史上最高のヒロインや》などと称賛の声が。

 次週、八雲となったヘブンは、トキ(高石)の助力を受けて『怪談』を書き始める。視聴者からは、《あそうだ!これから錦織が、ばけばけとして出てくるのはどうだ》《来週から満を持して怪談編が始まるから錦織さんも朝ドラお馴染みの幽霊としてヘブン先生の夢とかにしれっと出演しても良いんじゃないかと思うんだ》などの声がある。

 たしかに、朝ドラには『エール』、『おちょやん』、『まんぷく』など、亡くなったキャラが幽霊として登場する演出は珍しくない。怪談がテーマの『ばけばけ』なら、作家として再生したヘブンを見守るため、錦織の幽霊出演はありそうだ。激ヤセ姿でとてつもない演技を見せた錦織。その最後の姿に期待だ。(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。