■硬派すぎた『東京P.D』の前半展開
本作が扱ってきた事件は、隠蔽、実名報道、誘拐など、社会派ドラマの定番ネタで、あっと驚く展開もないが、広報を舞台にしているというのが新鮮だ。警察内部やメディアとの駆け引きがじっくり描かれ、警察ものというよりヒューマンドラマ。事件解決までのスリリングさは乏しいが、演出と構成がうまく、最後まで緊張感があるのもいい。
また、福士(今泉)は得意のアクションシーンがほとんどないものの、苦悩や葛藤するシーンが多く、新鮮な顔を見せてくれている。硬派な流れから第7話は一変してコミカルなテイストもあったが、それも正義感は強いけど巻き込まれ系という、今泉のキャラにフィットしていた。味方(仙北谷)との同期コンビも軽妙でハマっていたので、この2人をもっと早く捜査で絡ませていれば、数字はもっと伸びたかもしれない。
惜しいのはドラマの構成だろう。2話構成が続いた4話まではかなり重い内容だったので、それで離れた人も多かったかもしれない。社会派ドラマとして、シリアスな問題に切り込むことにこだわったためだろうが、3話目ぐらいに今回のコンビを出して、硬軟織り交ぜたシリーズ構成にしたほうが、視聴者はとっつきやすかっただろう。
総じて、いろいろもったいない本作。次回は、談合事件の揉み消しに警視庁上層部が関わっていることが判明。それでも事件を追及しようとする、今泉と仙北谷に圧力がかかるが、2人はどう立ち向かうのか。残り話数は少ないが、まだ間に合うので、この機会にぜひ見てもらいたい。(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。